食事では解消されない便秘の原因とは
いつも、食物繊維を多めにバランスの良い食事を心がけている。
だけども便秘に悩んでいる。
朝起きてからの水分補給も欠かさないが、なかなか出ない。
やっと便意が来ても痔に悩まされる。
便秘薬は徐々に効かなくなってきている。
こんな悩みはよく聞きます。
こちらでは、主な便秘の原因と食事では解消されない便秘の対処法について書いています。
一般的な便秘の種類
便秘の中でも機能の低下が原因となる便秘があります。
大きく分けると、
- 弛緩性
- 痙攣性
- 直腸性
になります。
これらは大腸の機能的な分類になります。
弛緩性便秘
弛緩性の便秘とは、大腸の運動が低下した状態を指し大腸内に便が長く留まり、水分が過剰に吸収されて硬便となります。
弛緩性の便秘が最も頻度が高く、女性や高齢者に多いのも特徴です。
そのため便秘が起こると、
- お腹が張る
- 残便感
- 食欲低下
などが起こりやすくなります。
また便秘しやすい人は肩こりや肌荒れ、イライラなどの症状も起こりやすくなります。
痙攣性便秘
対して、痙攣性便秘は大腸の過緊張によって起こります。
副交感神経が過度に興奮すると、大腸の筋肉が過緊張を起こし便がうまく運ばれなくなります。
結果として、兎糞便と呼ばれるコロコロとした便が出てきます。
このタイプは食後に下腹部痛が起こり、便が出ても残便感などがあります。
また便秘と下痢を交互にくり返したりもします。
直腸性便秘
直腸性便秘は、直腸に便が停滞している状態です。
便が直腸に達しても排便反射が起こらないために便意を感じません。
高齢者や寝たきりの人がなる便秘でもありますが、若い女性で普段から排便を我慢する習慣がある人に起こります。
そのため、便の状態は悪くないものの出すのに苦労します。
また、甲状腺機能の低下により蠕動運動が弱くなり起こる便秘もあります。
東洋医学から見た便秘
実証の便秘は大便が出る時には太く長いのが出るのが特徴です。
対して、虚証の便秘は兎糞状のコロコロとした便が出ると言われます。
現代医学から見ると、便秘しても太く長いのが出る場合を弛緩性便秘と呼び、コロコロとした便しか出ない場合を痙攣性の便秘と定義しています。
実証の便秘は硬便で、1日でも出ないと腹痛が起こるのが一般的です。
対して、虚証の便秘だと数日間も便が出なくても腹痛が起こりません。
虚証の便秘の中でも、コロコロとした便の人は少量の下剤でも腹痛が起こり思うように便が出ないことがあります。
実証の人は、排便を我慢し過ぎた結果なる直腸性便秘の人が多いので下剤との相性が良いのです。
結論から言えば、弛緩性も痙攣性も同じ虚証と考えられます。
解消する体操
腰回し体操
大腸は背中にくっついている構造なので、お腹だけでなく背中にも刺激を入れるのが正解です。
わき腹を両手で掴む。四本の指で腹筋をしながら、親指が背筋に当たるようにします。
軽くわき腹を掴むようにして腰を回します。
右回りと左回りを同じ回数ずつ回します。
両周りを10回ずつくらい行いましょう。
この体操は身体を捻じる事で、背骨の柔軟性の向上にもつながるので自律神経も整えます。
まとめ
現代医学から見ると、便秘の原因を大腸の機能面から見ています。
ですが、人によって便秘薬の効果が違うのは機能だけでなく、身体の強さを表す虚実の考え方は抜けています。
便秘を解消するのに大切なのは、自分の身体にあった対処法を見つける事です。