体質によって違う便秘の原因とは
便秘の原因が分からずに、色々なことを試すが思うように成果が出ない。
そんな人は多くいます。
便秘は同じ原因とは限りませんし、人によって同じことをしても同じ結果になるとは限りません。
こちらでは、人によって違う便秘の原因について書いています。
便秘の原因とは
便秘の原因を探る前に、便秘とはどんな状態かが重要です。
そもそも一般に、便が出ない状態のことを便秘と呼びますが、人によって出ない日数は差があるからです。
それこそ、1週間も便が出ないと苦しいという人から、1ヶ月近くも便が出なくても平気な人もいます。
医師の見解としては、3日以上排便がない状態とされています。
そのため、出てはいるけど残便感がある状態は厳密には便秘ではありません。
そして、便秘を大きく二つに分けると、機能性と器質性になります。
機能性の便秘とは、大腸の機能に問題がある場合です。
- 便を作る
- 排便する
のどちらかに問題があれば、原因は大腸の機能性にあると言えます。
大腸が原因の便秘をさらに分けると、
- 弛緩性
- 痙攣性
- 直腸性
になります。
弛緩性の便秘とは、大腸の筋力低下が原因で起こる便秘です。
大腸内の便の滞留時間が長くなり、便がカチカチになって出にくくなる最も頻度の高い便秘です。
痙攣性の便秘とは、大腸の筋肉の過緊張が原因で起こる便秘です。
大腸の筋肉が思うように緩めずに、つったような状態です。
直腸性の便秘とは、排便のサインが分からなくなった便秘です。
身体は排便のサインを出しているけども、身体がそのサインを受け取れず便意を感じなくなった状態です。
そして、機能性の便秘とは違って、器質性の便秘とは大腸に炎症や癌などの目に見える問題があって起こる便秘です。
そのため、内視鏡などで確認することが可能です。
基本的に器質性の便秘であれば、激しい腹痛や嘔吐などの症状を伴うので病院で検査しましょう。
機能性が原因の場合
便を作る過程に原因がある場合は、どこで問題が起こっているかもポイントです。
通常であれば、食べたものは胃や小腸で消化され、水分を多く含むドロドロの液状で大腸に入ります。
そして時間をかけて、ゆっくりと水分が吸収され便になります。
そのため、便を作る過程に原因がある人は、消化の時点で問題がある人が多くいます。
また、水分不足が原因で起こる場合もあります。
次に排便する際に原因がある場合です。
直腸性の便秘に分類されますが、便が肛門に到達しても便意が起こらないことが原因の便秘です。
腸の動きは自律神経によって支配され、副交感神経が優位になると大腸はぜん動運動を起こし排便を促します。
人が何かを食べたり、飲んだりして胃に物が入ると、副交感神経が優位になり大腸のぜん動運動が始まります。
そして、便が肛門直前の直腸まで来て壁に押し付けられると、その刺激によって便意を感じます。
ですが、直腸性の便秘の人は刺激を感知できずに便意を感じられないのです。
便は何から出来ているのか
多くの人は、便は食べた物だけで構成されていると思いがちです。
ですが、実際の便は80%が水分なので、水分を完全に吸収されると極めて少ない量となるのです。
さらに残り20%のうちでも食べたものよりも、腸内細菌や腸粘膜のかすなどの方が多いのです。
そのため、下痢を繰り返すと腸内細菌を激しく失い腸内環境を悪化させる原因となります。
言ってしまえば、腸内細菌の数が少ない人は、それ以上減らさないために便秘をしている可能性があるのです。
よく多品目のおかずを食べようと言いますが、それは多様な腸内細菌を増やすためです。
少ない種類の腸内細菌だけだと、腸内細菌の総数が増えにくくなるのです。
そのため、腸内細菌を増やすことは便秘の解消に効果的です。
悪い腸内細菌が増えた時にも下痢を起こすのは、増えた腸内細菌は排泄するというシステムが働いているからです。
だから、腸内細菌を増やせる食物繊維は便秘に有効なのです。
高齢者の場合の便秘
国民生活調査によると、便秘を訴える人の割合は男性で2・5%、女性で4・6%となります。
そして男女とも加齢によって便秘の方は増えていき、70歳以上は約11%の方が便秘を自覚しているそうです。
これは加齢によって大腸の筋力が低下する弛緩性便秘に分類されます。
さらに直腸の刺激も感じにくくなるので直腸性の便秘も併発しやすくなります。
加齢による身体の変化は多いですが、身体の保水力の低下も便を作りずらくなり便秘の原因として顕著です。
また、糖尿病や腎機能障害などを患っている人はさらに便秘になりやすくなります。
また、高齢者の場合は消化器系の病気が潜んでいる可能性もあるので、便秘が3カ月以上も続くなら受診をしましょう。
薬を飲んでいる場合は、副作用で便秘になる薬剤性便秘の可能性もあるので、医師との相談は必須です。
歯が悪い人は食物繊維を避ける傾向がありますが、煮物などにして食物繊維を意識して摂りましょう。
キノコ類や海藻類は柔らかくて食物繊維も摂りやすいのでおすすめです。
便秘を解消する体操
便秘を解消するには、大腸の機能を取り戻すことが大切です。
大腸の機能を取り戻すためには骨盤の動きを高めましょう。
そのために、身体を捻じる体操は効果的です。
やり方は、
- 足を肩幅に開いて両手を地面と水平に伸ばす
- 上半身を捻じって後ろを向くようにする
- 捻じりながら息を吐く
- 戻しながら息を吸いましょう
以上を左右ともに5回ずつ行います。
*捻じる時はこけいないよに気をつけるのと、足が浮かないように気をつけて下さい。
もう一つは腹筋の力を助けるしゃがむ体操です。
- 和式のトイレに座る体勢でしゃがみます。
- 足を肩幅に広げて深くしゃがみましょう
- この時にしゃがみながら息を大きく吸います
- 10秒キープして、息を吸いながらゆっくりと立ち上がります。
この動作をこけないように気をつけながら5回行います
腹部を刺激して大腸の機能を取り戻そう!
便秘の種類には色々とありますが、多いのは大腸の筋力の低下です。
そのため、腹部に刺激を入れる体操は効果的です。
高齢者でも体操で解消される事が多いですが、あまりに長期に渡ったり激しい腹痛を伴う時は病院を受診しましょう。