便秘の種類と対処はたくさんある
秘という言葉だけ聞くと、便秘の原因は一つのように思うかもしれませんが、実際には便秘の原因は多岐に渡ります。
そのため、人によっては生活習慣の改善だけでも効果が出たり、すごくよく効く便秘薬を見つけたりもします。
ですが、原因が人によって違うという事は対処法も違うという事です。
こちらでは、便秘の種類を紹介することで、あなたに最適な対処法を見つけます。
たくさんある便秘の種類
まず、便秘の大きな種類として、
- 機能性便秘
- 器質性便秘
- 症候性便秘
- 薬剤性便秘
に分類されます。
機能性便秘とは、大腸の機能が何らかの原因で低下している状態です。
そのため、基本的な対処としては大腸の機能をいかにして高めるかというのが大事になってきます。
対して、器質性便秘の場合は大腸の形や長さなどに問題があったり、炎症や腫瘍が起こっていたりする場合です。
器質性便秘の場合は、まずは病院での検査が大事です。
安易に腸のマッサージなどを行うと状態が悪化する恐れすらあります。
ただし、炎症や腫瘍が起こっているのであれば、炎症や腫瘍の原因を突き止めて繰り返さないことも大切です。
症候性便秘の場合だと、甲状腺機能低下症や副甲状腺機能亢進症などのホルモンの病気が原因の場合です。
ホルモンの病気は女性に多く、生理や妊娠中などのホルモンバランスが大きく変わる時にも便秘が悪化します。
薬剤性便秘は、うつ症状や気管支喘息などの薬の副作用で起こる場合です。
薬の中には大腸の蠕動運動を低下させる働きを持っているものがあるので、薬を飲み始めて起こった便秘なら医師と相談することが大切です。
便秘の種類を判断するには
機能性便秘と判断するには、便秘の始まったタイミングが重要です。
加齢と共に始まった便秘なら機能性便秘の可能性が高いですが、薬を飲み始めたタイミングなら薬剤性便秘だったり、妊娠がきっかけだったりするなら症候性便秘の可能性もあります。
また、器質性便秘の場合は、病院の検査ではっきりとするので、腹痛が強かったり発熱を伴ったりする場合は病院での検査も大切です。
持病や服用中の薬があるなら医師に相談して、辞められる薬は飲まない方が賢明です。
残便感や便の状態も判断基準となるので、普段から自分の便をチェックしておきましょう。
機能性便秘は検査では判断しづらいので、便の状態や排便回数などもポイントとなります。
機能性便秘は3種類に分けられ、
- 弛緩性便秘
- 痙攣性便秘
- 直腸性便秘
があります。
さらに各症状の中にも急性と慢性があり、一時的なもので解消されやすい場合もあれば、何十年にも渡って苦しむ人もいます。
一時的な便秘としては、水分や食物繊維の不足など食生活がきっかけで起こります。
だから、便秘はするけど食生活で解消される人は急性便秘と言えます。
また、学校や職場が変わったことによるストレスでも急性便秘は起こります。
機能性便秘の中でも慢性的に分類されるのは、半年以上も続いており食生活を変えても解消されない場合です。
①弛緩性便秘は排便に必要な筋力が不足している状態です。
高齢者や女性に多い便秘で、排便の回数は少なくても割ときちんとした便が出ます。
ただし、弛緩性便秘は出し切る力が弱いので、残便感が残ります。
②痙攣性便秘は大腸の筋肉が痙攣している状態なので、コロコロとした兎の糞のような便が出ます。
大腸の筋肉が痙攣するのは、血流や栄養状態の悪さが左右している事があります。
コロコロの便の後に下痢をするのは痙攣性便秘です。
また、自律神経の乱れから、副交感神経が緊張しすぎていても痙攣性便秘は起こります。
副交感神経が優位になっている人は、アレルギーやうつ症状を患っている人も多く見られます。
③直腸性便秘は、便が溜まってきても自覚できないタイプの便秘です。
そのため、腹痛はするけど便が出ないことが多くあります。
薬を飲めばスッキリと出るものの、常習的に薬を使っていると弛緩性便秘などを誘発する恐れがあります。
また、日頃からストレスを溜めているタイプにも多く見られます。
器質性便秘の判断
器質性便秘というのは大腸の形の異常や、傷を伴う病気がもとで起こることがあります。
お腹の手術のあとで腸が癒着を起こしている事もあるので、過去にどんな病気やケガを患ったかもポイントとなります。
器質性便秘の原因となる大腸の炎症や腫瘍は、医師の診察を受けてはっきりとするので、病院での検査が無難です。
病院では状態にあわせて薬も処方されます。
主な下剤の種類としては、
- 膨脹性下剤
- 浸潤性下剤
- 刺激性下剤
などがあります。
膨張性下剤は、便を大きく柔らかくして排便を促します。
浸潤性下剤も、便中の水分を増やして便を大きく柔らかくして排便しやすい状態にします。
膨脹性下剤や浸潤性下剤の作用は、水溶性の食物繊維と同じなので、薬を飲むよりも食生活を変える方がおすすめです。
ただし、膨張性下剤や浸潤性下剤には習慣性がないので、比較的に安心して飲める下剤です。
注意したいのは刺激性下剤で、大腸を刺激してぜん動運動を促すので弛緩性便秘には効果的です。
ただし、よく効く反面、使い過ぎると効かなくなってきます。
ツボを使って種類別の便秘対策
弛緩性便秘には大腸兪というツボを使います。
大腸兪は大腸の機能を高めるツボです。
テニスボールかゴルフボールを置いて上向きで30秒ほど寝ころびます。
弱っている大腸の蠕動運動を高めてくれます。
痙攣性便秘には内関というツボを使います。
掌側で手関節から指3本分のところをぐーっと6秒ほど押します。
主に内臓を調節する働きがあります。
特に右の内関は内臓の血液の流れを良くするといわれ、左の内関は心臓機能の調節をはかるといわれています
乗り物酔いやつわりを解消する水分代謝を改善するツボです。
最近では、乗り物酔いを解消するために内関を刺激するリストバンドが販売されています。
そのため、血流が悪化して起こる痙攣性便秘を解消する効果が期待できます。
直腸性便秘には合谷というツボを使います。
合谷は大腸に働きかけるほか、ストレスによる自律神経の乱れを整えます。
普段から便意を我慢して直腸性便秘になっている人におすすめです。
親指と人差し指の付け根の骨が交わるところの内側を指をたてて強めに揉みましょう。
便秘の種類によって対応を変えよう!
便秘の原因は実に様々です。
一時的な便秘なら慌てる必要はありませんが、半年以上も便秘が続くなら対処が必要です。
病院に行って医師と相談した方が良い場合もありますが、まずは自分の便をチェックしましょう。
その上で機能性の便秘ならツボ押しなどを試してください。