東洋医学から見た便秘の解消法
現代医学では、便秘と言えば便秘薬を飲んで排便することが健康のように宣伝されています。
排便さえすれば本当に健康なんでしょうか?
もちろん、便秘は万病の元とも言われるので、便秘をしないに越したことはありません。
ですが一番、大切なのは自然と排便できるということではないでしょうか。
こちらでは、自然と排便できる身体を作るために必要なことを書いています。
便秘とは何か?
一口に便秘とは言っても、便秘を自覚していない人もいます。
便秘を自覚していない人は、毎日便が出るから便秘じゃないと言われます。
ですが、毎日の排便があっても溜まっている人もいるのです。
そんな人はお腹を触ると明らかに硬さがあり、押されると痛がります。
毎日の排便があっても、少しずつしか出ない場合には大腸を触った時に硬さがあります。
大腸を触って硬さが残る場合も便秘なのです。
便秘なんて出せば終わりだと思っている人もいるかもしれませんが、薬を使って無理に出していると徐々に効かなくなってしまいます。
なぜなら一般的な下剤は大腸の筋肉に刺激を入れて、無理やりに動かしているからです。
こんなことを繰り返していると、大腸の筋肉は徐々にいうことを聞かなくなり本格的な便秘となってしまうのです。
便秘が続くとどうなるのか
仮に便秘をしていても苦しくなければ気にしないという人もいます。
ですが便という物は出さなければならない物です。
ちなみに尿は1週間も出なければ死んでしまいます。
これはアンモニアが極めて有毒なので、尿として定期的に排泄しないと身体がアンモニアによってやられてしまうからです。
そして便にもアンモニアは少量ながら含まれています。
だから便秘が長く続けば徐々に身体を蝕んでいくのです。
それが肌荒れや頭痛を引き起こし、このままでは良くない事を身体に知らせてくれるのです。
環境の変化や大きなストレスによるもので一時的な便秘は、市販薬で急場をしのいでも問題にはなりません。
ですが、慢性的に便秘の状態が続くなら身体に有害な物を常に溜め込んでいるので問題です。
そんな状態を健康といえるでしょうか。
身体が抱えている本当の原因を知って、適切に対処することが大切です。
便秘のタイプ
便秘のタイプには、
- 弛緩性便秘
- 痙攣性便秘
- 直腸性便秘
の3種類があります。
弛緩性便秘は高齢者や女性に多い筋力不足が原因の便秘です。
そのため身体が弱い乳幼児や産後にも見られます。
そのため、適度な歩行運動に、適度な栄養をしっかりととっていれば解消されます。
ただし水分と食物繊維は忘れずに摂りましょう。
痙攣性便秘は大腸の筋肉が血流が悪いせいでつった状態です。
そのため生理前の女性に多く見られ、コロコロの便が出やすく、出だしたら下痢になるなどが特徴です。
血流を良くするためには睡眠不足と運動不足を解消しましょう。
直腸性便秘は、便意を感じない自律神経の乱れが原因の便秘です。
排便を我慢したり、便が溜まると下剤や浣腸を乱用するために起こります。
薬の乱用を控えて、生活習慣を整えることが重要です。
便秘の解消に漢方薬も役立つ
漢方薬は万能ではありません。
便秘に効く漢方薬とは言っても、便秘の種類を見極める事が大切です。
例えば弛緩性便秘はエネルギー不足が原因なので、エネルギーを補う補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を選びます。
痙攣性便秘は血流の悪さが原因で、生理前で起こりやすい便秘なので加味逍遙散(かみしょうようさん)を用います。
身体は元気だけど、強いストレスで便意を感じにくくなっているなら防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)が便秘の解消に役立ちます。
漢方薬は万能ではありませんので、自分の便秘の原因を確かめる事が重要です。
実際のところ長年に渡って便秘を患っている人は、生活習慣の改善だけでは便秘の解消は難しいのが現状です。
一般的に下剤は大きく二つに分けられます。
腸を刺激して蠕動を高める刺激性下剤と、便を軟らかくしてスムーズにするなどの機械性下剤です。
生活習慣の見直しに加えて、下剤を併用するのも一つの方法です。
ですが、一般的に薬局でも売られている刺激性下剤では習慣性があり、徐々に効きにくくなっていきます。
そのため、始めは直腸性便秘だけだった人が、弛緩製便秘も併発していく事もあります。
そんな時にこそ、習慣性の少ない漢方薬はおすすめなのです。
便秘に対する効果は病院で処方される物より弱くなりますが、安心して使えると言うのが漢方薬の魅力です。
生活習慣にプラスして頑張ろう!
便秘は出せば問題が解決とはいかない問題です。
排便が出来ない身体の状態を解消しないと、問題は悪化することがおおくあります。
特に習慣性のある刺激性下剤を使っている人は、注意しないと症状が悪化します。
まずは生活習慣の改善が必須ですが、合わせて漢方などの選択肢もあると解消が早くなります。