腱鞘炎の症状は腕にも起こる!?
料理をするのにフライパンを持つと腕が痛む。
ドワノブを回すと肘周りが痛む。
テニスをしていて肘が痛みだした。
パソコン作業で手首が痛む。
そうな方いませんか?実はこれ全て腱鞘炎によるものなんです。
ここでは腕に起こる腱鞘炎は、どんなものがあるのかをご紹介していきます。
腱鞘炎とは
まず、腱鞘炎とはどんなものなのか簡単に説明しますね。
腱鞘炎のこの”腱”とは筋肉と骨をつなぐ線維で、頑丈なひもみたいなものです。この腱は”腱鞘”という剣の鞘みたいなものに包まれており、これがある事によって腱はスムーズに動けるようになっています。
そして、この部位が何らかの原因により炎症を起こし、腱の滑りが悪くなると、摩擦が生じその際に痛みを感じるようになります。これを”腱鞘炎”と言います。
腱鞘炎を引き起こす原因のほとんどは、指や手などの使い過ぎによりますが、女性の場合だとホルモンの変化による、更年期や妊娠・出産が原因になる事もあります。
また、腱鞘炎は指に起こるものだと思われがちですが、腕や足に起こる事もあります。
その中でもここでは、腕に起こる腱鞘炎で主に起こりやすいもの3つご紹介していきます。
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手首の親指側から腕にかけて痛む⇒ドゲルバン病(狭窄性腱鞘炎)
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肘の外側が痛む⇒上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
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肩の前が痛む⇒上腕二頭筋長頭腱炎
そして一番最後に、腱鞘炎が起こった時の対処法もご紹介しますので、ご参考にどうぞ。
では、次に各腱鞘炎について順番に説明していきますので、自分に起こっている腱鞘炎の部位を見つけて、当てはまる所のページを見て下さいね。
①ドケルバン病
ドケルバン病は、手首(手関節)の親指側にある腱鞘とそこを通過する腱に炎症が起こった状態で、手首の親指側に痛みや、腫れを起こします。
このドケルバン病は、主に妊娠出産期の女性や更年期の女性に多く見られます。また、親指の使い過ぎやスポーツ、PCなどで指をよく使う職業の人に起こりやすいのが特徴です。
このドケルバン病は*ばね指と間違えやすいため、自分で行えるドケルバン病の確認テストをご紹介しますね。
*ばね指:指の曲げ伸ばしが上手く出来ない状態
【テスト方法:アイヒホッフテスト】
①親指をこぶしの中に入れてグーを作る
②親指側が上になるように、腕を前に伸ばす
③手首を小指側(下方向)に曲げる
この時に、親指付近に痛みが出ればドケルバン病の可能性が高くなります。
②上腕二頭筋長頭腱炎(テニス肘)
上腕外側上顆炎とは、肘や手首を伸ばす筋肉の腱が通る腱鞘に炎症が起こり、腕の外側に痛みを生じます。
この疾患は、中年以降のテニス愛好家に生じやすいので”テニス肘”とも呼ばれています。
もちろん、テニスを行っていない方でもテニス肘と診断される場合もあります。
症状としては、”運動時に痛みが生じる”、もしくは”腕をかばう動作”がみられたり、”肘の外側や手首の親指側にピンポイントに刺すような痛み”を感じます。
また、ドアノブを回す時や、肘を伸ばした状態で物持ち上げる時に痛みが出る事も。
主な原因はテニスのバックハンドストロークのしすぎ(ラケットを持つ手の側とは反対側に来た球を打つ際のラケットの振り方)であり、テニス初心者の方や中高年の方に多く見られます。
また、日常生活によって起こるのは30~50才代で女性に多く、料理人や大工などの手をよく使う方職業の方にも起こりやすいとされています。
③上腕二頭筋長頭腱炎
上腕ニ頭筋長頭腱炎(じょうわんにとうきんちょうとうけんえん)とは、上腕骨といわれる腕の骨と、力こぶの筋肉である上腕二頭筋の腱がぶつかり、肩の前に痛みを感じます。
痛み方として、肩をうごかすときや、痛みの重症度合により、夜寝る前に痛みが強く出たり、かるく触れただけで痛みが起こることも。最終定期には五十肩のような痛みが強く、肩の動きが制限された状態にまでなります。
野球選手やバレーボール選手、テニス選手などの"オーバーヘッドスポーツ"と呼ばれるスポーツに多く、また日常生活でも"重たいものを持つ"機会が多いと上腕二頭筋長頭腱炎になりやすいと言われています。
対処法
では、今回ご紹介した腱鞘炎が起こった場合どのように対処すべきか、お伝えしていきます。
【応急処置】
痛みが強く、炎症が起こっている場合いには、炎症を抑えるために氷水で冷やします。
約20~30分ほど冷やし、安静にしておきましょう。
【応急処置後】
患部の熱感が治まったら、血行を促進するために温湿布などで患部を温めしょう。ただし、痛みがあま改善されなかったり悪化している場合には、早めに整形外科の病院を受診することが大切です。
傷めた場合は、悪化しないようにするためにも、安静にすることが重要です。
仕事やスポーつなどで使い過ぎてしまう場合にも、無理しない程度で行う事がポイントとなってきます。
無理をしすげてしまうと、改善が難しくなり、手術が必要となってくることもありますので、そうならないようにするためにもしっかりと”使ったら休ませてあげる”という事を忘れないで下さいね。
慢性期に入ったら次のストレッチを試しましょう
まず痛みのある指を後ろに引っ張り、そのまま指を左右に動かし左右を比べて硬いところで止める。
そこで90秒キープします。その後もう一度動かしてみて動きやすくなっていたらOKです。
滑液の流れを良くするので痛みのある指は全て行います。ただし痛みすぎない範囲で行ってください。
もう一つは痛みのある関節を引いたり押し付けたりするものです。
5秒ほどで構いませんがその時に指が曲がらないように気をつけてまっすぐに関節に圧力がかかるようにしましょう。
動きを良くすることで炎症が取れるのを早くする効果があります。
痛みが出るストレッチだとは思いますのであまり無理しないようにしてくださいね。
腱鞘炎を治すために必要なものとは
まとめ
手首の親指側が痛む時は、ドケルバン病。
肘の外側が痛む時は、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)。
肩の前が痛む時は、上腕二頭筋長頭腱炎。
これは全て腱鞘炎の一つです。
使ったら、休むという事を忘れず、症状の改善につなげて下さいね。