ドゥケルバン腱鞘炎の原因となる筋肉は長掌筋だ!
仕事で腱鞘炎になり整形外科に通っている。
なるべく使わないようにと言われても手を酷使する仕事だ。
結局、安静には出来ずに日に日に痛みがひどくなっている。
こんなことで悩んでいませんか?
こちらでは腱鞘炎に悩んでいるけど安静に出来ない人のために原因と対処法について書いています。
ドゥケルバン腱鞘炎
普通の腱鞘炎は骨と筋肉をつないでいる腱と、腱を保護する腱鞘の間で炎症を起こしている状態です。
炎症が起こると腱は分厚くなり、腱鞘の中をスムーズに通過できなくなってしまいます。
その中でも、腱鞘が狭窄した状態をドゥ・ケルバン腱鞘炎と呼びます。
男女差を見ると女性に多く、妊娠や出産、更年期などのホルモンバランスが乱れる時に多く見られます。
また、スポーツや仕事で手や指を酷使する人にも見られます。
最近ではスマートフォンの使い過ぎでなる人も増えています。
ドゥ・ケルバン腱鞘炎は、親指を大きく広げた時にでる2本の腱に腱鞘炎が起こっています。
親指を使い過ぎて摩擦が起こり、繰り返し炎症が起こったために腱鞘が分厚くなるのです。
通常なら腱と腱鞘の間には潤滑液が流れているので、摩擦が起きても問題にはならず腱の表面にも傷がつきません。
ですが、潤滑液の不足が起こると途端に摩擦が強くなって腱鞘に傷がついて炎症が起こるのです。
潤滑液の不足は妊娠や出産期、更年期などのホルモンの変化が原因で起こります。
そのため、腱鞘炎だけでなく関節の痛みは女性の方が起こりやすいのです。
悪化させないためには
ドゥ・ケルバン腱鞘炎は、手首の親指を使い続けると痛みが悪化します。
そして指の腱鞘炎が進行すると曲げ伸ばしが困難なばね指となります。
ばね指は進行すると。親指以外にも起こり中指と薬指も起こりやすいのが特徴です。
ドゥ・ケルバン腱鞘炎かどうかは、親指を小指の方向に向かって曲げたときに痛みが強くなるかどうかをチェックします。
これはアイヒホッフテストと呼ばれ、親指で腱鞘が起こっているかの判断に使われます。
ただし、リウマチや糖尿病、透析中の患者にも現れるので注意が必要です。
症状を緩和するためには、可能なら誘因となった作業や運動などを控える事です。
悪化した場合は、注射や腱鞘を切り開く手術などが行われます。
腱鞘炎の原因となる筋肉
作業や運動を控えられない場合は、原因となる筋肉にアプローチします。
女性であればホルモンバランスが疑われますが、腱鞘炎が悪化しやすい人には特徴があります。
それが長掌筋(ちょうしょうきん)と呼ばれる筋肉の緊張です。
聞き慣れない筋肉ですが、親指と小指をくっつけるような動作を行うと、手首に腱が浮き出てくる筋肉です。
長掌筋は手関節の掌屈を行いますが、強い力は発揮しません。
そして長掌筋が無い人もいるので、キネシオロジカルモニターと呼ばれる感覚神経がメインの筋肉と考えられます。
キネシオロジカルモニターとは筋肉の感覚が鋭敏な筋肉なので、筋肉を緊張させたり緩ませたりするのに役立ちます。
動作には長掌筋は無くても大きな支障はきたしません。
手関節を掌屈させるのは、主に橈側手根屈筋と尺側手根屈筋になります。
協力筋として、
- 長掌筋
- 深指屈筋
- 浅指屈筋
- 長母指外転筋
- 長母指屈筋
などがあります。
長掌筋は上腕骨内側上顆から始まり、第2~5中手骨の手掌腱膜に付きます。
長掌筋は、手首の屈曲の際に働いています。
深指屈筋は尺骨近位部の前内側から第2~4末節骨底に付き、遠位指節間関節の屈曲や手首の屈曲の際に働いています。
浅指屈筋は指を屈曲させる筋肉で深指屈筋と協調して働き、指の屈曲動作はほとんどこれらの筋肉によって起こっています。
浅指屈筋は二頭の筋肉で、上腕骨の内側上顆と橈骨の上方から起こり、第2~5指の中節骨底部に停止します。
浅指屈筋が収縮すると手関節の掌屈に作用し、手を握る際にも強く作用します。
手を強く握ると、前腕部にこの筋肉の収縮を確認する事が出来ます。
キネシオロジカルモニターである長掌筋はこれらの筋肉の調整役として存在していると考えられます。
この長掌筋を刺激して前腕の筋肉を調整すると、腱と腱鞘の潤滑液が流れやすくなるのです。
長掌筋などの屈筋群が硬い人は肘の内側を押すと痛みます。
やり方
- 腕を前に伸ばして手のひらが上を向くようにします
- そして手首を下に曲げます(手のひらが正面を向いている状態)
- 前腕の手のひらがをストレッチしている状態で手を押さえて、手を曲げようとします
- 長掌筋などの曲げる筋肉に力が入っている状態で5秒キープします
- キープしたら緩めて、3回ほど繰り返します
このやり方は筋トレでは無いので、緩い力で行いましょう。
終わった後に肘の内側を押して痛みがなくなっていればOKです。
長掌筋を緩めて腱鞘炎を防ごう!
腱鞘炎の中でもドゥケルバンになる人は長掌筋が硬くなっています。
長掌筋を緩めれば潤滑液が流れて炎症を起こさなくなります。
その上で指の負担を減らせられれば再発は防げます。