虚血性心疾患と高血圧はカルシウム不足!?
虚血性心疾患を引き起こす高血圧の原因は、長らく塩分の摂り過ぎと言われてきました。
実際に高血圧と診断され、減塩食を実践してきた人も多くいるのではないでしょうか。
その結果、高血圧がマシになった人もいると思います。
ですが、根本的に解消されなければ、ずっと降圧剤などの薬は飲み続けなければなりません。
こちらでは、虚血性心疾患を根本的に解消するために、高血圧の本当の原因について書いています。
カルシウム不足と高血圧
血管の壁も筋肉でできており、血管を広げたり狭めたりして血液の流れを調節しています。
そして、血液が血管を押し広げようようとする力が高まった状態を高血圧と呼びます。
もし血管の筋肉が強く収縮して血管の抵抗が強くなると、抵抗が強くなった分だけ心臓はさらに強い力で押し出そうとして血圧はますます高くなってしまいます。
最高血圧は心身の状態により一時的に高まりますが、常に一定の最低血圧の方がポイントとなります。
なぜなら、最高血圧は心臓の収縮力に左右されますが、最低血圧は血管の内腔の広さに左右されるからです。
そのため、血管の筋肉の硬さで最低血圧は決まります。
カルシウム不足は、血管の筋肉を収縮させます。
逆に筋肉が緩むためには、細胞の中からカルシウムが出ていくことが必要となります。
ですが、カルシウム不足が続いている人は骨から溶け出したカルシウムが血中に溢れているので、血管の筋肉に入ったカルシウムが出て来れないのです。
つまり慢性的なカルシウム不足は血管の筋肉を硬くさせるという事です。
塩分とカルシウムの関係
高血圧というと、すぐ塩分の摂りすぎが問題になります。
しかし最近の研究では、塩分の原料であるナトリウムの摂りすぎではなく、カルシウムの摂取不足が原因だと言われるようになっています。
じゃあ塩分を摂っても問題ないのかというと、塩分の摂り過ぎも問題となります。
ただしナトリウムを過剰に摂取すると、カルシウムが尿の中にどんどん排泄され、カルシウム不足を助長してしまいます。
結果として、ナトリウムが過剰の時もカルシウムが不足と同じになり、高血圧になっているのです。
また、カルシウムは高血圧を下げる働きがあるのですが、正常な血圧をそれ以下に下げてしまうという事はありません。
カルシウムの正しい摂り方
カルシウムは吸収されにくい栄養素としても有名です。
そのため、ただカルシウムの含有量が多い食品を摂るのではなく、カルシウムの吸収率が高い食品を意識することが大切です。
カルシウムの吸収率を高めるのはビタミンDです。
そのため、ビタミンDとカルシウムを多く含む乳製品は極めて効果的です。
また、ビタミンKはカルシウムが骨に沈着するのを助けます。
他にも小魚や干しエビなどは食べやすいのでおすすめです。
野菜の中にもカルシウムを多く含んでいるものがありますが、乳製品や小魚と比べると吸収率が低いのが現状です。
その他にもミネラルではリンに注意が必要です。
リンはカルシウムと結びついて骨や歯を形成する働きをしますが、カルシウムとリンは1:1くらいが理想です。
ですが、現代では加工食品やインスタント食品にリンが多く含まれるので、料理が面倒くさくてもそういった食品に頼り過ぎると過剰になったリンがカルシウムの排泄を促すので注意しましょう。
基本的には普段の食事に乳製品をプラスすれば、カルシウム不足による虚血性心疾患や高血圧は解消されます。
正しい対処で健康な毎日を!
高血圧や虚血性心疾患に対する認識は、日々変わっていく事があります。
そのため、以前とは違って塩分を制限するだけでは不完全なのです。
むしろ、カルシウムをしっかりと意識することで、塩気の無い食事からも解放されるので医師との相談の上で実践して下さい。