加齢による逆流性食道炎を解消するには
年を重ねて徐々に胃の調子が悪くなった。
病院で検査をしても異常なし。
だけど加齢による逆流性食道炎と言われた。
加齢が原因なら治らないんだろうか。
こんなことで悩んでいませんか?
こちらでは加齢とともに起こる逆流性食道炎の原因と対処法について書いています。
加齢による消化器への影響
消化器系は予備の備えが多いので、加齢による機能低下は他の内臓よりも少ないのが特徴です。
ただし加齢によって起こりやすい疾患もあり、
- 憩室症(けいしつしょう)
- 便秘
などは高齢者になると増えてきます。
高齢者では食道の収縮力が低下しますが、飲み込むのが下手になる訳ではないのです。
食道の収縮を妨げる病気にかかることはありますが、それらは加齢が原因とは限りません。
胃は加齢に伴い、内側の粘膜の分泌が弱るので消化性潰瘍のリスクは高まります。
粘膜の分泌が減る原因として、アスピリンやその他の非ステロイド系抗炎症薬などの痛み止めを服用していることが挙げられます。
反面、胃酸やペプシンなどの胃液を分泌する機能には加齢はあまり影響を受けません。
小腸は特に加齢の影響は少なく、消化や吸収の変化はあまりありません。
ある種の細菌が腸内で過剰に繁殖する腸内細菌異常増殖症候群も加齢とともに多くなり、
- 腹痛
- 腹部膨満
- 下痢
などを引き起します。
膵臓(すいぞう)は加齢とともに重さが減少しますが機能の低下は起こりません。
肝臓と胆嚢では加齢により重量が減るので機能にゆとりが無くなります。
直腸では収縮力の低下から便秘が起こりやすくなります。
逆流性食道炎は内臓そのものの機能低下より、自律神経の乱れから食道や胃を圧迫した結果起こることもあります。
にもかかわらず薬などで症状だけを抑えようとすると逆に症状が悪化する場合すらあります。
薬を飲むことの副作用
ピロリ菌は胃の中に生息する細菌で胃炎や胃潰瘍の原因となりますが、除菌すると逆流性食道炎になると言われます。
ピロリ菌によって胃に炎症が起こると、胃酸の分泌が少なくなるので自然と逆流性食道炎が抑えられているためと考えられています。
痛み止めのアスピリンは痛みの元となるプロスタグランジンいう成分を抑え、痛みを和らげます。
ですがプロスタグランジンには胃酸の分泌低下や胃粘膜の血流低下などの作用があります。
そのため、安易にアスピリンを服用していると逆流性食道炎を起こしやすくなるのです。
結果的に弱りにくい胃腸を弱らせる原因となります。
胃腸は加齢によって弱りにくい内臓ですが、薬の副作用で若い時から弱る時もあります。
そして胃を弱らせるのは普段からの食生活です。
胃腸を元気にする生活習慣
食べた物は胃の出口付近が伸びたり縮んだりすることで砕かれます。
それから十二指腸に押し出されるのが消化活動の始まりです。
食べ物は食後2~3時間は胃の中に留まり、8時間ほどで内容物はほぼ送り出され胃は空っぽの状態になります。
そして次に胃の天井部分が大きく収縮し、まだ残っている食べ物のカスや剥がれ落ちた細胞などを押し出す大掃除に取り掛かります。
胃の大掃除は深夜から明け方にかけて行われるので、この時間帯には全ての食物が空っぽになっているのが理想です。
ですが食べてすぐ寝たり、夜遅くの食事を続けて胃の大掃除が行われないでいると徐々に胃の機能が低下していきます。
翌朝になっても胃の大掃除が起こらないと朝から胃もたれを感じます。
胃が不調だと、
- ゲップがでる
- 吐き気を感じる
- 食欲がわかない
などの胃からのSOSを察知します。
食べすぎや夜遅くの食事が続き胃の大掃除が起こらないと、胃が荒れて出血することもあります。
大切なのは胃の大掃除が起こりやすい生活を心掛ける事です。
大掃除を起こりやすくするには胃の通過時間を早める事です。
そのために
- 腹八分目にする
- よく噛む
- 遅い時間の食事は脂分を減らす
などを心掛けて胃の通過時間を減らす事が大切です。
また胃の通過時間は平均して12時間なので、晩ご飯から朝ご飯まで12時間以上は空けることも有効です。
そして朝食はとった方が排泄が促されるので、朝食はきちんととるのがおすすめです。
胃の負担を減らして大掃除を起こさせよう
胃の不調は加齢によって機能低下するからではありません。
胃は年齢よりも日々の生活習慣で弱ります。
だから胃に優しい生活習慣を心掛けて胃を元気にしましょう。