シンスプリントになる原因と改善法!!
スネの内側が痛いふくらはぎが痛い。
スネの内側の骨を押すと激痛がする。
走ったり、ジャンプをすると痛い
そんなお悩みを抱えていませんか?
多くの方はシンスプリントの痛みを改善するために、マッサージ等を行っている人も多いですが、実際に治っている方は少数です。ここではアシンスプリントの原因と改善法をお教えします。
シンスプリントは?
シンスプリントはオーバーユースによる代表的な下肢の疾患です。オーバーユースとは、
「運動のやり過ぎによって出る痛み」です。シンスプリントは別名「脛骨過労性骨膜炎」呼ばれることもあります。
下腿内側に位置するスネの骨(脛骨)の下方1/3付近に痛みが起こるのが特徴となります。痛みはスネの骨(脛骨)に沿ってうずくような鈍痛で始まります。 筋肉が骨に付着するラインに沿って起こります。
シンスプリントに起こりやすい人は?
シンスプリントになる人は、スポーツ、ランニングなどを始めたばかりの人に多く起きるため「初心者病」とも言われます。
しかし使いすぎていてもシンスプリントにならない人はいます。
トップレベルで運動している選手にもシンスプリントで多くの人が悩んでいる現状があります。
シンスプリントの症状は?
多くの場合、痛みは運動開始時に現れ、そのあと消えて運動が終了するとまた戻ってきたりします。 症状が進むにつれ、痛みは段々ひどくなり、運動している最中はずっと持続するようになります。 そして最終的には、日常生活の他の動作の最中にも痛みが伴うようになってしまいます。
痛みの軽いとき
下腿内側の圧痛があるだけ、あるいは運動時に軽い痛みがあるだけなら特に運動を中止する必要はなく、ストレッチを下肢を中心に念入りに行います。
痛みが強い時
下腿内側に強い痛みがあったり、運動時に強い痛みがあれば、運動を中止し、痛みが軽減する状態まで、運動を制限しなければなりません。
シンスプリント原因は?
身体的要因と環境的要因によって引き起こされます。
身体的要因
・下腿三頭筋(腓腹筋やヒラメ筋)、後脛骨筋、長趾屈筋の柔軟性低下
スネの周りには「腓腹筋」「ヒラメ筋」「後頸骨筋」「長趾屈筋」などさまざまな筋肉が下肢の内側に付着しています。これらの筋肉は、ランニングやジャンプをする際に、地面を蹴ったり、接地時の衝撃を吸収するために働く筋肉で、この動作をするたびに強く緊張し、スネの骨膜を引っ張ります。
緊張が強く起こり、柔軟性が低下し、繰り返し筋肉が引っ張られる事で、付着部が微細な損傷を繰り返して、下肢の内側に痛みが出るようになります。
・回内足、扁平足など
足底には“アーチ構造”と言うものが有ります。足底を内側から見たときに土踏まずで地面に接地しない部分がありますが、これを“内側縦アーチ”といいます。このアーチを支えているのが、足裏の筋肉や「後頸骨筋」です。クッション的な役割をしています。
特に「後頸骨筋」は土踏まず(内側縦アーチ)を形成するのに重要な筋肉で、土踏まずを持ち上げるように働いています。これらの筋力が不足したり柔軟性が低下すると、土踏まずを持ち上げられなくなり、ランニングの接地時に足関節が強く回内(かかとが内倒れする)してしまうことがあります。
これを「回内足」と呼びます、アーチの部分が低下し地面の接触度合いが高まった結果、土踏まずが落ちてしまう「扁平足」の原因となります。土踏まずが落ちると、後頸骨筋の起始部が下へ引っ張られてしまい、緊張し繰り返し筋肉が引っ張られる事で、炎症が起きてしまいます。また、クッションがなくなることで衝撃が吸収できなくなり、筋肉や骨に大きなストレスがかかってしまうのです。
環境的要因
・練習環境
今までと違った路面状況、硬いグラウンド、アスファルトでの運動での身体への負担
・練習量が身体に合っていない
急に練習量を増やしたり。強度を上げることで身体がついていかない
シンスプリントと似た症状
脛骨の疲労骨折
シンスプリントの痛む部位は、スネの骨(脛骨)の下3分の1周辺に痛みが出ることが多いです。広範囲に痛みを訴える人はスネの骨(脛骨)の中央付近まで痛むこともありますが、上のほうが痛くなることはほとんどありません。
一方、疲労骨折の場合はスネの骨(脛骨)どの部位にも起こる可能性があります。
疲労骨折になったら脛骨全体が痛むのではなく、脛骨下3分の1、脛骨真ん中、脛骨上3分の1が痛んだりと痛む部位は疲労骨折を起こしている部位に限局されます。
シンスプリントと疲労骨折は痛む部位も似ているため症状のみでの違いを見分けるのはなかなか判断が難しいです。しかも発症初期の疲労骨折はX線を撮っても異常がみられない事が多いのでシンスプリントと診断される事が多いです。
痛みが発生してから運動も休んでいるのに、数週間たっても痛みが変わらず上記のような状態の時には医療機関の受診をおすすめします。
シンスプリントの対策は?
下肢を中心としたストレッチや足底の運動、食事、睡眠を合わせて行ことで、回復を早めます。
腓腹筋ストレッチ
①ストレッチしたい側を足を後ろに引き、一歩踏み出したような状態を作ります。
腓腹筋ストレッチの注意点は
膝をしっかり伸ばすこと!そして踵は浮かさないこと!
②一歩前に出した足に体重をかけて腓腹筋を伸ばしていきます。
この姿勢でふくらはぎに伸びている感覚が出たところで30秒程キープします。
左右両方とも行います
ヒラメ筋ストレッチ
①伸ばしたい方の足を後ろに引き一歩踏み出したような状態を作ります。
②後ろに出した足のヒザを曲げて、真下にテンションをかけていきます。
③踵が浮かないようにしてください。ヒラメ筋を伸ばしていきます、伸びている感覚が出た所で30秒程キープします。息は止めないでください。
*やりにくい場合は壁や柱を支えにしながらヒザを曲げていきます。
左右両方とも行います。
前脛骨筋ストレッチ
①正座をします。伸ばしたい方の足を浮かせます、その際に反対側の足に体重をかけます。
②伸ばしている方の足の甲が浮かないように、スネの前の部分(前脛骨筋)が伸びている感覚が出た所で30秒程キープします。
左右両方とも行います。
アーチの低下の改善運動
タオルギャザー
①座った状態で両ひざを立てます。
②タオルを広げ、足の指に端がかかるようにします。
③足の指でタオルを掴みながら、タオルを手繰り寄せましょう。
④タオルを手繰り寄せられなくなったら、再び広げて繰り返します。
左右両足とも5回ずつ行いましょう。
食事
運動後、体を疲弊したままの状態にすると、筋肉の疲労や疲れが体に残ってしまったりするのでトレーニングで使われて不足した栄養をしっかりと補いましょう。
タンパク質
タンパク質は傷付いた筋肉の修復や筋合成に使われ、消化されるとアミノ酸に分解されて筋肉や内臓、皮膚、血液などの材料となります。
タンパク質は、「動物性タンパク質」である肉・魚介類・卵・乳製品などの動物性の食品に含まれるものと「植物性タンパク質」である豆類・穀類などの植物性の食品に含まれます
炭水化物(糖質)
トレーニングでは、筋肉や肝臓のグリコーゲンがエネルギー源として使われるため、消耗したグリコーゲンを速やかに回復させる必要があります
ビタミンB群
ビタミンB1の効果として真っ先に挙げるべきなのが糖質の代謝です。糖質の代謝とは、糖からエネルギーを生み出す働きのことです。食べ物として摂取した糖が体内で効率よくエネルギーに変換されないと、余った糖は中性脂肪として肝臓などに蓄えられることになります。
ご飯の食べすぎや甘いものの摂りすぎが肥満につながるのはそのためです
ビタミンB1は運動しても疲労を蓄積させず、溜まった疲れも回復させる効能が期待できる栄養素です。
ビタミンB1の多い食品は、穀類のはい芽(米ならヌカの部分)、豚肉、レバー、豆類などです。中でもとくに豚肉にはビタミンB1が豊富です。
睡眠
疲労回復に一番効果があるといわれているのが十分な睡眠です。睡眠中には日中使われている脳細胞が休まり、全身の新陳代謝・疲労回復が図られ、スポーツのパフォーマンスアップなどにつながります。
睡眠中は
- 疲労回復や骨・筋肉の育成に重要な役割を担う「成長ホルモン」
- ストレスに負けない状態をつくる「コルチゾール」
この「成長ホルモン」分泌のピークは、就寝後約2~3時間で最も高まる、という特徴もあります。成長ホルモンの分泌量は睡眠の良し悪しによっても大きく左右されるため、たとえ十分な睡眠時間をとっていたとしても、深い眠りの状態が短いと成長ホルモンの分泌量も少なくなってしまいます。
そのため、深夜0時~3時の間に「最初の3時間」を迎えられるように深夜0時には床に就くことでぐっすりと深い眠りにつきやすくなります。
まとめ
シンスプリントは、厄介です。シンスプリントの症状が軽いうちは、運動をしているうちにだんだんと痛みがなくなってくることがよくあります。そのため、シンスプリントの状態で痛いけど練習が出来てしまうのです。そのせいか、症状が重くなってしまう事が多くなりますので、痛みが出てきたと思ったら早めの対応をしていきましょう。