不眠症の原因とその対策
「布団に入ってもなかなか寝付けない」
「日中の眠気がひどい」「毎朝身体がだるい」
「夜中に何度もめがさめてしまう」
こういう状態が続くと、疲れもストレスも溜まってしまいますよね。
また、改善しようと思うものの、原因がわからなくて困っている方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな不眠症でお困りの方に、その原因と対策法をご紹介します。
不眠症とは
まず、不眠症とは、寝つきが悪い、眠りが浅く熟眠感がない、朝早く目覚めてしまうなどの睡眠症状がある事を言います。
その中でも、不眠症は以下の3つに分けられます。
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入眠困難:布団に入ってもなかなか寝付けない
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中途覚醒:睡眠中に何度も目が覚めてしまう
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早朝覚醒:朝早く目が覚める
また、病院で不眠症と診断されるのは、この睡眠症状に加えて日中の眠気、疲労、集中力の低下、気分の落ち込み(抑うつ気分)などの症状が認められる状態が週に3回以上、かつ3カ月以上続く場合になります。
ですので、単に睡眠症状があったとしても、日中に起こる上記の症状がなければ不眠症とは診断されないようです。
不眠症は、40~50歳がもっともなりやすいと言われており、加齢とともに発症率が高くなります。特に高齢者では中途覚醒や早朝覚醒が起こりやすくなります。そして、男性よりも女性の発症率が特に高く、中高年以上の女性は2人に1人は不眠症と言われています。
特に、日本人は世界的に見ても睡眠不足で、平成26年に厚生労働省が行った調査では、日本人の20%が睡眠による休養が十分にとれていないとの結果も出ているそうです。
しかし、睡眠は人間にとって健康を維持するために必要不可欠な事です。睡眠がきちんととれていなければ、病気にもかかりやすくなるので注意して頂きたいものです。
では、なぜこのように不眠症が起こるのか、その原因を次に書いていきます。
不眠症の原因
不眠症の原因は人によって様々で、その原因が1つだけとは限りません。
身体の状態や環境によって複雑に絡み合っている事もあり、不眠症の原因か分からない方も少なくありません。ですので、まずは原因と思われるものをきちんと把握することが改善の第一歩となります。
では、不眠症の原因となるものをご紹介していきます。
(例)痛み、かゆみ、咳、喘息、アレルギーなど
②生理学的要因
(例)不規則勤務で、寝る時刻と起きる時刻が日によってバラバラになる
③心理的要因
(例)翌日に失敗が許されない会議や交渉事がある、失恋や人間関係のストレス
④精神医学的要因
生活習慣での原因
では、早速不眠症の原因となる生活習慣についてご紹介していきますね。
こんな方いませんか?
①寝る前にスマホやパソコンをみる
②夜更かしをする
③寝る前にお酒やたばこをとる
④太陽を浴びる事が少ない
⑤昼夜逆転の生活をしている
何か当てはまるものはありましたか?
意外かもしれませんがこういった、生活が不眠症の原因になるのです。
では、これらの原因がなぜ不眠症につながるのかを次にご紹介します。
原因とメカニズム
では、先ほど書いた不眠症の原因になるもののメカニズムをご紹介します。
この不眠症をおこすのには大きく分けて2つあります。
①自律神経の乱れ
自律神経とは、身体の活動時に働く交感神経と、身体の安静時(睡眠時・休息)に働く副交感神経があります。
この2つの神経のバランスが乱れる事で、不眠症が引き起こります。
生活習慣で関わるものは、寝る前のスマホやパソコンの使用、お酒やたばこを摂取したり、夜更かしをする事です。これらは人間の活動に関わる交感神経が活発にさせ、脳を覚醒させるので、夜なかなか寝付けないようになってしまいます。
また、この自律神経は働き過ぎ、またはダラけた生活など、どちらか一方に極端に傾いていたり、そのメリハリができていない場合にも乱れてしまいます。
②体内時計の乱れ
人間の身体には、体内時計といわれるものがあり、日中は心身共に活動状態に、夜間にメラトニンというホルモンを分泌し自然に睡眠を誘発する、昼と夜の切り替えを役割を担っています。
そして、この体内時計が正常働くには、朝、お天道様の光を浴びる事が必要になります。
ですので、昼夜逆転の生活をしていたり、太陽の光を浴びない生活をしていると体内時計が正常に機能せず、夜になってもメラトニンが分泌されないので、眠れないという状態に陥ります。
では、この2つを正常にするにはどうしたらいいのか対策法をご紹介します。
不眠症対策
先程、不眠症の原因とそのメカニズムをご紹介しましたが、率直に言うとこれらを改善することが、1番の解決策です。
では、具体的どうすればいいかお伝えしていきます。
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光に気を遣う
まずは光に気を遣ってください。通常、昼間は動く神経(交感神経)が働いています。ですので、なるべく寝る前にはスマホやパソコンは控え目に刺激を与えないようにをしましょう。また、副交感神経を働かせる光としてオレンジ色が効果的です。
ですので、不眠症の方は寝る2~3時間前からオレンジ色の光を発するに電球の光の中で過ごすことをお勧めします。
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日中に太陽の光を浴びると眠れる
昼間に太陽の光を適切に浴びると、夜眠りやすくなります。
睡眠はメラトニンと言うとホルモンが深く関係しており、このメラトニンは朝、太陽の光を刺激とし分泌が低下し、朝目覚めます。そして、覚醒の15時間後に再びメラトニンが分泌され、眠気を誘うようになるのです。
ですので、太陽の光を浴びない方は昼休みの時間を利用して野外に出て太陽の光を浴びるようにしてみてはいかがでしょうか。日陰でも屋内よりはるかに効果的です。
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交感神経を刺激しないようにする
夜寝る前に、アルコールやカフェイン、タバコなどを摂らないようにすることです。これらは、覚醒作用があり、人間の活動に関与する交感神経が働き、睡眠の妨げとなります。
ちなみに、寝る前にお酒を飲むとよく眠れると思っている方がいますが、それは間違いです。アルコールを飲むと、副交感神経優位になり、リラックスモードで眠気を感じるかもしれませんが、アルコールを分解する過程に入ると、中途覚醒がおこりやすくなり、睡眠の妨げとなりますので、注意してください。
ですので、なるべく寝る前の3時間前はアルコール、コーヒーなどのカフェインが含まれた飲み物、そしてタバコは控えましょう。
では、次にぐっすり眠れるコツをご紹介します。
ぐっすり眠れるコツ
①湯船にしっかりとつかる
最近では、お風呂をシャワーで済ませる方が多いようですが、シャワーと湯船に浸かるのとでは、睡眠の質が大きく違ってきます。
それは湯船にゆっくりと浸かることで、深部体温を上げ自律神経のバランスが良くさせるからです。結果、眠りにつきやすくなると同時に、体内の回復力もアップさせてくれます。
ですので、なるべく時間がある時はゆっくりとお風呂に浸かる事をお勧めします。
また、お湯の温度は38~40℃のぬるま湯が身体に良いですよ。
②布団で大の字になって寝る
仰向けになって大の字になり寝ると、肺やお腹が圧迫されず楽に寝ることもができます。また、肩を圧迫しないので五十肩の予防にもなりますよ。
また、お布団は薄いものがいいですね。柔らかすぎて、腰が沈むものは腰痛を引き起こしやすくなります。
なので、ふかふかの寝具よりも、せんべい布団に低い枕の方が健康にはいいですね。
③深呼吸をする
布団に入っても寝付けない。または夜中目が覚めて、眠れない時に是非お試し頂きたいものです。
では、やり方をご紹介しますね。
①布団の上に仰向けに寝ます。
②口すぼめでお腹をへこましながら息をゆっくりと吐き出し、これ以上吐ききれないところまで吐く
③今度はゆっくりと鼻から息を吸います。
ポイントは吐く時に40秒、吸う時に20秒と1分間かけて行う事です。
長いという方は吐く時に30秒、吸う時に15秒の45秒で行ってみて下さい。慣れてきたら1分間かけて行ってみて下さい。5回ほどやると眠気が出てきますよ。
④指先ストレッチ
①仰向けになって寝る
②両手、両足をグーにし、5秒間キープ
③両手、両足をパーにし、5秒間キープ この、グーパーを5回繰り返して下さい。
このストレッチをする事で、手足末端の血液循環が良くなり、深部体温が低下し眠りやすくなります。
夜、寝る前に是非お試しください。
まとめ
不眠症の原因は分かりましたか?
不眠症の原因は意外にも、自分が日頃行なっている行動が原因だったりします。
ですので、今回ご紹介した原因が当てはまった方は少しずつ改善して、最終的にぐっすりと眠れるように習慣付けていってみて下さい。