たかが便秘が万病の元
昔から便秘がちだ。
普段は便秘が続けば薬を飲んで出している。
ただ調子が悪いと薬も効かないくらい頑固な便秘になる。
こんなことで悩んでいませんか?
小さい時から便秘を抱えている人は、たかが便秘と考えがちです。
ですが便秘は万病の元なので軽視できない症状なのです。
こちらでは便秘を放っておくことの弊害と正しい便秘の対処法について書いています。
便秘の弊害
便秘になると気分が悪くなる人も多くいますし、人によっては顔色や肌の状態が悪くもなります。
実は便秘になると、大腸で繁殖したバクテリアが小腸にまで拡大し、いわゆる小腸腸内細菌異常増殖症(SIBO) という状態になります。
SIBOと呼ばれるバクテリアが大量発生した状態だと栄養素の吸収障害が起き、バクテリアが内毒素(エンドトキシン)を発生させて全身に毒素が回ります。
このエンドトキシンは身体に悪影響を及ぼすだけでなく、血液中の鉄と結合し酸素を運べなくします。
そのため便秘で顔色が悪くなっている人は身体が酸欠を起こしているのです。
この状態になると、どんなに呼吸を深くしても酸素不足になり身体は不調を感じます。
酸欠の状態だと皮膚が紫色や土色になってきます。
普段から息苦しさを感じている人は特に要注意と言えます。
エンドトキシンの恐さ
バクテリアが作るエンドトキシンですが、本来なら肝臓で処理されます。
エンドトキシンは摂取しても問題はありませんが、血液中に入ると強い炎症を起こします。
そのため、肝臓でのエンドトキシンの処理が不十分だと身体は炎症を起こすことになります。
エンドトキシンは内毒素とも呼ばれ、その成分はリポ多糖です。
リポ多糖は大腸菌やサルモネラ菌などのグラム陰性菌の細胞壁成分ですが、酢酸菌などの身体に有効な菌にも含まれます。
エンドトキシンが血液中に入ると
- 発熱
- 敗血症性ショック
- 多臓器不全
- 頻脈
などの反応が起こります。
エンドトキシンは白色脂肪組織に軽度炎症を誘発させ、身体にインスリン抵抗性を起こさせます。
そうなると身体は肥満およびメタボリックシンドロームのリスクが高まります。
そのため糖尿病の解消にもエンドトキシンは関わっていると考えられています。
生活習慣病のリスクは便秘があることで飛躍的に高まるのです。
エンドトキシンを除去するには
ビフィズス菌などを摂取すると、肝臓におけるナチュラルキラーT細胞を活性化させ、脂肪肝とインスリン抵抗性を解消します。
高脂肪食の摂取は、腸内でのグラム陰性細菌を増やし血中エンドトキシン濃度を上昇させます。
そのため揚げ物が多い食事は控える事が基本です。
肝臓が元気なら少量のエンドトキシンは分解されますが、脂肪肝となり機能が低下した肝臓ではエンドトキシンを分解しきれずに身体に炎症を起こします。
つまりエンドトキシン自体が怖いというよりも、肝臓の機能が低下した状態での便秘は怖いという事です。
このエンドトキシンによる炎症は、非アルコール性脂肪性肝炎の場合にも見られます。
それに対して、プロバイオティクスは腸管からの血液中へ流入するエンドトキシン減少作用があることが知られています。
プロバイオティクスとは
プロバイオティクスとはビフィズス菌などが生みだす身体に良い影響を与える成分です。
プロバイオティクスは、
- ヨーグルト
- 納豆
- ぬか漬け
などの発酵食品に含まれています。
ビフィズス菌などの善玉菌のほとんどは加熱で死滅してしまうので、基本的にはそのまま食べるのがおすすめです。
ビフィズス菌を増殖させるフラクトオリゴ糖を摂取すると、高脂肪食による
- ビフィズス菌の減少
- 血中エンドトキシン濃度の上昇
- インスリン抵抗性
などを解消することが確認されました。
そのため、フラクトオリゴ糖は、体脂肪を減少させるとともに中性脂肪と食後血糖値を低下することも報告されています。
普段から発酵食品を摂る事は、便秘の改善だけでなく高脂肪食による弊害も解消してくれるのです。
たかが便秘と侮るなかれ!
便秘くらい誰でもあるだろうと思われるかもしれません。
ですが便秘が続くようなら体内には有害物質であるエンドトキシンが増えていきます。
増えすぎたエンドトキシンは様々な疾患の原因となるので、普段からプロバイオティクスなどを摂取して便秘と一緒にエンドトキシンも解消しましょう。