通信工事業者に起こった肩の痛みは広背筋が原因だった
以前には感じなかった肩こりがとれなくなった。
疲れが溜まるようになり元気が出ない。
これでは仕事を続けられるか不安だ。
こんな悩みを抱えている患者さんが来られました。
今回は実際に来られた患者さんの身体の悩みの原因と解消法について書いています。
問題となった姿勢
電気通信工事では腕を伸ばす姿勢が多くなります。
また座り込んであぐらをかいている事が多いのも特徴でした。
あぐらをかいて腕を伸ばした姿勢は広背筋が引き延ばされた状態で、かなり大きな負担がかかっています。
この状態だと上腕が前に引っ張られ、肩甲骨は外側に開いてしまいます。
そのため常に肩をすくめたような状態で緊張しっぱなしだと言えます。
通信工事は体力をかなり使うと言われ、他の工事業者に聞いても辛い仕事の一つと答えられました。
肩をすくめた姿勢というのは肩こりの天敵です。
緊張した肩周りはリンパの流れが悪くなるので回復が遅れるようになり、肩の位置が悪くなっているのですぐに疲れるようになります。
その状態で何時間も作業を続けていれば肩が辛くなるのは当然なのです。
実際に肩周りを触ると、どこの筋肉を押しても痛がる状態でした。
筋肉というのは、血流が悪くなり緊張が強くなると軽く押しても痛みます。
そのため血流を良くするのはもちろん、筋肉の緊張を緩める事が肩こりの解消には欠かせません。
肩こりを解消するには
上腕が前に出ている状態は巻き肩と呼ばれます。
巻き肩の状態になっている人は、だいたい肩をすくめたような姿勢になっています。
この巻き肩の時に、特に緊張して硬くなっているのが広背筋です。
そのため今回の肩こりの解消には広背筋を緩めることがポイントとなります。
肩こりの原因となるのは他にも僧帽筋や大胸筋などがあります。
広背筋を緩めるにはタオルを使った体操がおすすめです。
やり方)
- 正座してタオルの両端を持ちます
- そこから両手を挙げてバンザイの姿勢になります
- 背中から腕まで一直線に伸びた状態をキープしながら上半身を回転させます
肩が前に傾くと広背筋への刺激が減るので、背中から腕が一直線なのを意識して行いましょう。
両回しで10回ずつくらい行いましょう。
上腕や肩甲骨の位置が戻る事で肩こりが解消されます。
姿勢を良くして肩こりを解消しよう
普段から同じ姿勢で仕事をしている人は上腕や肩甲骨の位置が悪くなりがちです。
すると肩への負担が増えて疲れやすくなり、さらに広背筋などの緊張がとれないせいで回復しづらくなります。
そのため緊張した広背筋を緩めて、骨の位置を良くすることは肩こりの解消に極めて効果的です。