PMSを解消するには体液を調節しよう
生理前になると無気力になって何もできない。
常にネガティブ思考になり、いつも以上にイライラしたり不安になる。
暴食もしてしまう。
こんなことで悩んでいませんか?
こちらではPMSが起こるメカニズムと対処法について書いています。
女性ホルモンの作用
女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンは血漿量を増加させます。
月経前に起こるむくみや体重増加は女性ホルモンが増えることで起こります。
血漿量が増加するという事は血液中の水分が増えるという事です。
月経前の黄体期は下肢静脈への血液の貯留と血管外へ水分を溜めて、自律神経の乱れを招きます。
PMSによる身体的・精神的な症状の多くは自律神経の乱れから起こります。
エストロゲンには血液量を増加させる作用があり、プロゲステロンには血漿量を減少させる作用があります。
エストロゲンとプロゲステロンが揃うとナトリウムと水分の再吸収を促します。
二つのホルモンの働きで体液量を増やします。
体液の流れは細胞内液を調節する浸透圧系と、細胞外液を調節する容量系の2つの独立したシステムによって制御されています。
これにより血管の内外の体液量を調節することが可能となります。
そしてPMSによる症状の多くは体液量が不足している時にひどくなります。
細胞内液と細胞外液
体液は細胞膜で隔てられており、細胞内液と細胞外液に分けられます。
細胞外液は血管の内側では血漿(けっしょう)と呼ばれ、血管の外側では組織間液や細胞間リンパ液と呼ばれます。
体液は体重の60%に相当し、
- 細胞内液に40%
- 組織間液に15%
- 血漿に5%
ずつ分布しています。
細胞内液が細胞外液よりも多いのは、量が変動しやすい細胞外液が減少した際に補うためです。
細胞外液の主な仕事は循環血液量の維持で、その他にも栄養素や老廃物の運搬を担っています。
これらの体液が十分にある時はPMSは起こりにくく、症状もひどくなりにくいのが特徴です。
血管壁も半透膜なのでタンパク質以外は通過することが可能です。
浸透圧を調節する機能には電解質によって維持される血漿浸透圧と、アルブミンによって維持される膠質浸透圧があります。
視床下部は細胞外液の浸透圧を感知し、下垂体後葉からの抗利尿ホルモンであるバソプレシンの分泌を調整します。
バソプレシンは腎に働きかけて水分の再吸収を促し尿量を減少させ、同時に喉も渇くことで細胞膜の浸透圧の調節を行います。
対して血漿量を調節する容量調節系は、血圧の感知は心臓から動脈が行い交感神経と副交感神経をコントロールしています。
交感神経の緊張は心拍出量を増加させ血漿量を増加させると同時に、末梢にある毛細血管の抵抗を増大させて血圧を上昇させます。
このように容量調節系は循環する血漿量を通して細胞外液を調節するのがその目的です。
PMSを解消するには
少し難しい話が続きましたが、結論を言いますとPMSを解消するには十分な体液を確保することです。
十分な体液とは言っても、むくんでいる状態とは違います。
そもそも、むくみというのは老廃物が溜まっている状態です。
十分な体液を確保できている人は、身体が潤って排泄もきちんと行われるので老廃物が溜まりません。
女性ホルモンを補充してPMSの症状が軽くなるのは、女性ホルモンの作用で身体を潤わせるからです。
身体を潤わせるのに大切なのは、
- 体液の消耗を避ける
- 水分を吸収しやすくする
などを意識することです。
体液は交感神経が優位な状況で消耗されやすいので、肉体的にも精神的にもストレスが多いと体液は消耗されやすくなります。
きちんと休息した方がPMSの症状が軽くなるのは体液の消耗を避けられるからです。
また水分を吸収しやすくするためには女性ホルモンを補充するのは効果的です。
欧米ではホルモン補充療法の代わりにブラックコホシュというハーブを利用しています。
薬が無かった時代には女性ホルモンに似た働きをする食材として重宝されていました。
最近では医師からもブラックコホシュの効果は認められつつあります。
体液を充実させて元気になろう!
PMSの原因は女性ホルモンの減少による体液の不足です。
体液量が減ると身体に老廃物が溜まり様々な不調に見舞われます。
そのため体液の損失を促す過労や睡眠不足は控えて、ブラックコホシュなどの女性ホルモンの働きをするハーブティーなどを摂るのがおすすめです。