心因性による過敏性腸症候群の腹痛
急に腹痛が来るから電車に乗ると不安になる。
どこに行ってもすぐにトイレを探してしまう。
長い時間を拘束される時は不安で腹痛を起こす。
こんなことで悩んでいませんか?
こちらでは心因性の腹痛である過敏性腸症候群の原因と解消法について書いています。
心因性の腹痛とは
過敏性腸症候群の中でも腹痛は心因性のものがあります。
神経性やヒステリーによる腹痛も心因性に分類されます。
心因性の腹痛の特徴は炎症や潰瘍がないのに
- お腹の不快感
- 下痢
- 便秘
などを伴い過敏性腸症候群と呼ばれます。
そしてストレスで症状が悪化することから心因性と考えられています。
過敏性腸症候群を発症する原因は現代医学でも完全には解明されていません。
現時点で分かっているのは、ストレスホルモンが脳下垂体から放出されると腸の動きがおかしくなるということです。
さらにストレスホルモンが頻繁に出されると、腸がホルモン刺激に対して知覚過敏になってしまうことです。
すると以前よりもストレスに敏感に反応してしまい、より症状が悪化するという悪循環に陥ってしまうのです。
こういった過敏性腸症候群の腹痛は感情表現が苦手な人ほどなりやすいと言われます。
ストレスに弱い人の特徴としては、辛いという気持ちに鈍く、怒りや悲しみを言葉で表現できない人です。
そのため心で認識できない事を身体で表現していると考えられています。
またストレスを感じているのに、自覚がないために過剰なストレスを身体に与えている場合もあります。
ストレスは気づくとは限らない
世間ではストレスの解消法ばかりが注目を集めています。
ですがストレスは気づいている分だけとは限りません。
まずはどんなストレスが自分の腸に悪影響を与えているかをはっきり認識することが大切です。
自分の腹痛はどんな時にひどくなるかを整理して、避けられるストレスであれば避ける方法を探します。
そして避けられないストレスの時に、ストレスの解消法や自分が楽になる考え方を探します。
ハッキリといって、自分は無理をしていたと気づくだけでも過敏性腸症候群の腹痛の解消は一歩でも前進しています。
腹痛は起こるから悪いのではなく、身体からの警告だから上手く利用するべきなのです。
生活の質をあげることが出来れば、それだけで過敏性腸症候群の腹痛は治まる事もあるのです。
ストレスに気づく方法
ストレスに気づくポイントは生活の変化です。
例えば、
- 眠りが浅くなった
- イライラしやすくなった
- 外出がめんどくさい
などはストレスを感じている時ほど顕著です。
また些細な出来事がきっかけとなる場合もあります。
生活の中で自分や家族の誰かが病気や怪我をしたり、自分や周りの人の不和などの人間関係などもです。
ストレスと聞くと自分の問題と考えがちですが、近しい人間に起こる問題で強いストレスを感じる場合もあります。
また自分は楽しみにしていても、引越しや転職などの環境の変化がストレスになる場合もあります。
昇進や栄転などの嬉しいことでも、責任が大きくなる事でストレスに感じる人もいます。
ここで大切なのは、自分にとってどんな体験がストレスになるかを知る事です。
コーピングという方法
ストレスの原因となるものは実に様々なので、自分のストレスの原因が何かを意識することが大切です。
なぜなら脳によるストレスホルモンの放出は本能的に行われるので、ストレスを感じても自覚できるとは限らないのです。
それこそ気温差や気圧などの天候の変化でもストレスホルモンは放出されて腸に影響を与えます。
最近ではコーピングという手法が注目されています。
コーピングは
- 外から働きかける
- 内側からストレスを軽くする
の二つの方法があります。
外から働きかけるとは、仕事の悩みを誰かに聞いてもらったり、誰かに相談して解決を図るというものです。
対して内側からとは、自分で何かを行動して気持ちを落ち着かせるなどの方法になります。
どちらが優れているという訳でなく、自分に合っているかどうかが重要なので気長に探していきましょう。
コーピングのやり方)
- 自分がどのようなストレス状況にあるのか把握する
- ストレスの影響はどれくらいか客観的に把握する
- どんな気晴らしが効果的かリストアップする
の順番になります。
まずは自分の状況を書き出してみましょう。
それからどの状況下で自分がどんな気持ちになったかを整理します。
そして自分がやると気分がよくなるリストを作成します。
例えば
- 音楽を聴く
- お風呂に入る
- スポーツをする
- 買い物をする
など簡単な内容で大丈夫です。
そして実際の生活の中でいろいろなストレスがかかる度に、書き出したリストの内容を実行します。
その結果、実際にストレスが減ったかどうかを自分で判断します。
まだストレスが残っていたら、続けて行ったり他の項目を試したりしましょう。
結果として、ストレスが最も減ったものを普段から習慣化していくことが重要になります。
コーピングの際に重要なのは、何をするかではなく今の自分が置かれている状況を把握することです。
過敏性腸症候群の腹痛のような症状は積み重ねによって起こります。
そのため避けられる場面は避ける事も大切だからです。
時には普段から行っている行動を止める事が何よりも重要だったりするからです。
心から軽くなれば腹痛は解消される!
過敏性腸症候群の腹痛は心因性の影響も大きくあります。
少なくとも身体からの警告である可能性は高いです。
そのため腹痛が強いのであれば自分の身体と向き合う事が大切です。