変形性膝関節症を予防する食事とは
膝の変形を起こし、歩行時や正座をする際に痛みが生じる変形性膝関節症
状態が悪化してしまうと、歩行すら困難となり手術が必要となる場合もあります。
こうなる前にしっかりと予防していきたいですよね。
そこで、今回は変形性膝関節症を予防する食べ物をご紹介します。
変形性膝関節症とは
まず、変形性膝関節症についてご紹介していきますね。
変形性膝関節症はその名の通り、膝の軟骨が擦り減りっていき、「足が変形」していく疾患です。
膝関節が炎症を起こし、膝に痛みが出たり、水がたっまて腫れたりすることもあります。
主な症状としては、歩行時の痛みや、階段の昇り降りに痛みが出たり、正座が出来にくくなったりします。
状態が悪化してしまうと、歩行そのものが困難になったり、膝の曲げ伸ばしが出来なくなったりと、日常生活に支障がでてきてしまいます。
中には変形性膝関節症と似た疾患もあり「関節リウマチ」と間違える場合もあります。
もし、気になる方がいれば一度病院に行って診てもらうのが良いでしょう。
変形性膝関節症でお困りの患者さんは、現在国内で「約3000万人」と言われています。
年齢層は50代以上の男女、特に女性に多く、40代から徐々に増え始めます。
60代の女性の約40%、70代の女性の約70%がこの病気にかかっていると言われています。
では、なぜ変形性膝関節症になってしうのでしょうか?
変形性膝関節症の原因
では、変形性膝関節症の原因について書いていきます。
現在、はっきりとした原因は分かっていませんが、主に以下の事が原因と言われています。
・加齢
40代から増え始める変形性膝関節症。それは加齢による水分の減少や軟骨に栄養を供給するヒアルロン酸が減少することにあるといいます。
結果、軟骨に負担がかかりやすくなり変形性膝関節症に至ってしまうのです。
・肥満
人が歩くときには、体重の約3.5倍の負荷がひざにかかります。
例えば、体重が60kgの人では約180kgの負担が膝にかかっていることになります。
これでは膝が悲鳴をあげるのは当然です。
・運動不足
年齢と共に筋力はどんどん落ちて行ってしまいます。それに加え運動不足だと更に筋力は低下。
結果、下肢の筋力が低下し上半身をささえる力がないので膝に負担がかかってしまうのです。
ですので、適度な運動を習慣づけることが大切です。
・姿勢不良
姿勢の問題も関係しています。
よくあるのが猫背姿勢ですね。猫背姿勢になると身体の重心が前になってしまいます。
そうなると、それ以上身体が前に行かないように膝が身体を支えるように働きいつも以上に負担が大きくなってしまうのです。
この中で、何か当てはまるものはありましたか?
もし、当てはまるものがあれば改善していきましょう。
では、次に変形性膝関節症を予防するお勧めの食事についてご紹介します。
食事で予防
変形性膝関節症を予防するために大切なことは、体重を減らす、骨や軟骨を丈夫にする、筋肉をつけるという、3つのポイントがあります。
そこで、それらに良い栄養素をご紹介していきます。
まずは、「軟骨に良いもの」をご紹介します。
基本的には膝軟骨の主成分であるプロテオグリカンの材料を補うような食事が良いですね。
コンドロイチン
- 納豆やオクラ、なめこ、山芋や里芋などのネバネバした食材
- うなぎやヒラメ、鶏の皮
グルコサミン
カニやエビなどの甲殻類
次に「骨に良いもの」です。
関節といえば骨。この骨にとって重要な成分がミネラルです。
一般的に「カルシウム2:マグネシウム1」の割合が推奨されています。
骨と言うとカルシウムが良いというイメージが強いですが、このマグネシウムにも骨を強化する働きがあります。
また、カルシウムの吸収を助ける「ビタミンD」の摂取も大切です。
カルシウム
- 桜えびやめざし、しらす干しなどの小魚
- ひじきなどの海草類
マグネシウム
- アーモンドやカシューナッツ、ピーナッツなど
- あおさや海苔、わかめなどの海草類
- きな粉や豆腐、納豆などの大豆製品
ビタミンD
- 鮭やいわし、さんま、うなぎ、サバ、アジなど
- しらす干し
- すじこ、いくら、数の子などの魚卵
- きくらげや干し椎茸
また、ビタミンDは日光を浴びると体内で生成することができますので、家にこもらないことも意識してみましょう。
そして、変形性膝関節症の予防に不可欠なのが「たんぱく質」です。
タンパク質は骨や筋肉を作り上げる材料。
骨は言うまでもなく、膝関節の負担を軽減するためにも筋肉量をキープしたり増やしたりするのは大切です。
ただ、やみくもに摂取するのではなく、脂質の少ない良質なタンパク質を選びましょう。
タンパク質
- 鶏肉(特にムネ肉やササミ)やラム肉
- 豆腐や納豆などの大豆製品
- 卵や乳製品
以上が変形性膝関節症に良い食べ物です。
あとは、こういった食べ物を意識して取り入れ、バランスよく食事を摂る事が大切です。
結果、膝はもちろんの事身体全体が良い状態に変わっていきます。
ただ、注意して頂きたいことがあります。
それは変形性膝関節症に良くない食べ物もあるという事です。
次に避けたい食べ物についてご紹介します。
避けたい食べ物
変形性膝関節症に良くない食べ物はどんなものなのでしょうか?
簡単に言えば、先にあげたような膝関節に良い働きをする成分を体外へ排出してしまったり、吸収を妨げたりするものがそれにあたります。
いくらカルシウムを意識的に摂取しても、ある成分をたくさん摂ってしまうとカルシウムが体外へ排出されてしまいます。
その成分が、カフェインや塩分、リン酸塩です。
カフェイン
カフェインと言うと、コーヒーやお茶がイメージされると思います。
その中でもカフェインが多く含まれる飲み物がこちら↓↓
- 玉露
- コーヒー
- 紅茶
- 煎茶・ウーロン茶
塩分
- ドレッシング
- 麺類の汁
- 加工肉食品 など
リン酸塩
リン酸塩とは、あまり聞きなれないものですが。食品の水分保持や変色防止などのため、様々な加工食品に含まれている食品添加物です。
- ハムやソーセージ、魚肉練り製品など
- ラーメンやパスタなどのインスタント食品
- 瓶詰や缶詰
- ジュースや炭酸飲料
以上が変形性膝関節症に良くない食べ物です。
ですので、日頃からカフェインや塩分、そして添加物が含まれる食品には注意してください。
では、最後に変形性膝関節症に効果的なトレーニングをご紹介します。
変形性膝関節症に良いトレーニング
トレーニングと聞くと、ダンベルとかマラソンとかきついイメージが出てくるかと思いますが、今回ご紹介するのは変形性膝関節症の方でも出来るやさしいトレーニングとなっております。
食事の改善と共に是非、こちらもお試しください。
まず一つ目は「大腿四頭筋ストレッチ」です。
こちらはストレッチですが、やり方によってトレーニングに変わります。
膝の痛みの原因は、主に大腿四頭筋という太ももの前面から膝下についている”筋肉の弱り’が原因になります。
弱りと言っても、使われていない筋肉は弱るとともに固くなってしまうので、まずは筋肉を緩めることから始めましょ。
このストレッチはバランスが不安定になりますので、最初は椅子や壁を使って行ってみて下さい。
なれてきたら、片足立ちで行って筋トレにバージョンアップしましょう!!
①片足立ちになり、同側の手で足の甲を持ちます。
②曲げた足を斜め後ろに引きます。
③この状態を5秒間キープします。
次に大腿四頭筋とハムストリングスを鍛える「スクワット」をご紹介します。
このスクワットは変形性膝関節症の方でも実行しやすく効果の高いものになります。
①膝と足先を正面に向け、両足を肩幅に開いて立つ
②膝をゆっくり60°くらいまで曲げます ※膝がつま先より前に出ないように注意しましょう
③そのままゆっくりと元に戻す
力を入れる時に息を吐き、力を抜きながら息を吸います。 途中で息を止めないように気をつけて下さい
まとめ
変形性膝関節症は、何も対処しないでほっておくと状態が悪化し日常生活が困難となってしまいます。
ですので、そうなる前に今日お伝えした食べ物に気をつけながら変形性膝関節症の予防を行ってくださいね。