本当に膝痛は太ももを鍛えれば解消されるのか?
ひざ痛で困っている。
立っていると左膝が痛くなる。
歩いていても痛くなる。
普段はデスクワークでほとんど歩かないが筋力が落ちたからだろうか?
こんなことで悩んでいませんか?
こちらではデスクワークが多い人に起こりやすい膝痛の原因と、筋トレではない対処法について書いています。
デスクワークで起こる膝痛
膝が痛むタイミングは人それぞれです。
立ち上がる時や階段の一歩目など、ふとした瞬間に膝痛は起こります。
運動不足の影響は無視できず、病院に行けば運動をして筋肉をつけるように言われる人も多くいます。
筋肉をつければ膝痛は解消する。
一般的にはそう言われていますが、高齢者に関して言えばそれだけではありません。
フレイルという高齢者に現れる症状では、筋力だけでなく筋肉の質の低下も重視しています。
現代では若者にもフレイルのような症状が現れています。
では、なぜ筋肉の質が低下してしまうのか?
それは単純な運動不足だけでなく、長時間のデスクワークなどが原因となっています。
長時間のデスクワークは身体を硬直させ、身体の筋肉が思い通りに動かなくします。
その結果として筋肉の質が低下してしまうのです。
筋肉の質の低下とは
筋肉の質が低下すれば、身体は思うように動きません。
年をとれば誰もが経験するのが身体のだるさや重さです。
若い時は何気なく出来ていた行動が、年とともに辛く苦しくなってきます。
年とともに身体が辛くなるのは筋力の低下だけではありません。
まして歩くだけで膝が痛むというのは、頻度としては低いのです。
もちろん長い間、寝たきりだった人なら筋力不足の可能性もありますが、普段から動いている人の筋力が不足することは少ないと言えます。
ですが座りっぱなしで運動不足の人に膝痛が多いのは確かです。
ここでポイントとなるのが、膝周り以外の筋肉です。
運動不足が膝の痛みの原因になるなら、膝周りの筋肉が問題だと考えがちです。
ですが実際は、歩く時や階段を上る時に膝周りの筋肉だけを使う事はありません。
ポイントとなる筋肉は腹筋です。
膝を安定させるのは太ももの筋肉ですが、太ももの筋肉が力を発揮するためには腹筋がしっかりと機能している事が重要なのです。
もっと言えば、膝の負担を減らすには腹筋だけでなく胸や首の筋肉までが影響してくるのです。
膝に影響する筋膜とは
筋肉は筋膜という膜に覆われています。
この膜は単独の筋肉を包むのではなく、全身の筋肉を覆いつなげています。
その筋膜にも種類があり、筋膜のつながりで張力を感じ合うラインはアナトミートレインと呼ばれます。
身体中に張り巡らされたアナトミートレインは、姿勢や動作の安定をもたらします。
アナトミートレインの中でも、膝を安定させる大腿四頭筋と呼ばれる太ももの筋肉は踵から始まり頭までつながっています。
踵から頭までの間に腹筋や胸、首なども通るので、大腿四頭筋などの筋肉の機能を高めようと思えば腹筋や胸、首の動きも高める事が大切です。
特に腹直筋と大腿四頭筋は骨盤を介して機能的に連結しています。
そして肋骨や胸骨を介して、腹部から胸部、首へと機能的に連結していくのです。
そして腹直筋を中心に、腹直筋から上のラインと下のラインは機能的な連結されています。
そのため腹直筋の機能を高める事が姿勢を維持して膝への負担を減らすことにつながります。
腹直筋の機能を高めるには
腹直筋は立位の時に上下のラインが機能的に連結します。
そのため腹直筋の機能を高めるには立位で体操をすることが効果的です。
やり方)
- 対角線の手と足を伸ばします
- 右手を挙げて左足を後ろに伸ばします
この時に腹部が伸びている事を確認しましょう。
この動きは腕と足の体操ではなく、腹部を伸ばすことが目的です。
そのため、しっかりと上半身を反らして腹部にストレッチがかかるようにしましょう。
各10回ずつくらい行います。
力いっぱいしなくていいので、腹部が伸びていればOKです。
筋肉の質を高めて膝痛を解消しよう!
膝痛は運動不足の人に起こりやすいですが、筋力不足が原因とは限りません。
多くの場合は筋肉の質の低下が原因です。
そのため、ただ筋トレをしても解消されないので、足の筋肉の質を高めるために身体全体のつながりを意識しましょう。
まずは身体の要である腹直筋から刺激してみて下さい。