変形性股関節症の痛みはPNFで解消できる
股関節痛がひどくて歩けない。
原因は不明でステロイド剤で痛みをごまかしている。
だけど、たくさん動いた日は歩けないほど痛む。
原因が分からないのが辛い。
こんなことで悩んでいませんか?
原因が分からない股関節痛の多くは、関節の可動域が狭い事で起こります。
こちらでは関節の可動域を上げるPNFの方法と、PNFを行う筋肉を特定する方法について書いています。
関節の可動域を上げる
関節の可動域を上げる方法はいくつかありますが、1950年代から注目されているのがPNF(神経筋促通法)という手技です。
PNFの特徴は痛みを誘発しないで関節可動域を向上させられることです。
やり方としては、
- 運動抵抗
- 強調運動
- 関節の圧着や牽引
などがあります。
動きを改善させたい筋肉を痛みのない位置まで伸張させ、他の人に抵抗を加えてもらいながら2~3秒ほど力を入れて収縮させます。
その後に筋肉を弛緩させると、目的とした筋肉の可動域が増大するという手法です。
一人の場合はタオルを使うのがおすすめです。
動いた時の痛みというのは、筋肉が縮んだ時に出る痛みです。
この筋肉が縮んだ時の痛みを解消するのにPNFは有効です。
PNFによって筋肉が緩み筋肉の可動域が上がれば、痛みなく動ける身体になります。
変形性股関節症を解消する場合
変形性股関節症になると歩いたり立っていたりするだけで痛みが出ます。
ここで肝心なのは、どこの筋肉が痛んでいるのかという事。
PNFで筋肉の動きを改善するとはいっても、どこが悪いかをまずは確認しないといけません。
変形性股関節症と診断され人工関節などの手術を受けたけど、痛みや違和感がとれないという方にもおすすめです。
また原因がよくわからないけど、股関節の付け根やお尻に痛みがある方も試してみましょう。
股関節周囲の痛みや違和感により行えない動作や、行いにくい動作から原因となっている筋肉を明確にします。
多くの場合は股関節だけでなく広い範囲が原因となります。
チェックするのは、
- 前屈
- 後屈
です。
①前屈
前屈をして床に手がつかない人は、筋肉の動きが硬いと言えます。
特に左のようなタイプは、お尻を後ろに突き出すようにして前屈をしているので太ももの裏の筋肉のハムストリングが固い事が分かります。
長時間の立ち仕事などで太ももの裏が硬い人は、普段から猫背になっている事が多く骨盤が後傾しています。
②後屈
後ろに沿ったときに上半身だけを反らせる人は比較的に動きの良い人です。
後屈した時に太ももの前が硬い人は、腰を突き出すようにして後ろに反ろうとします。
腰を突き出して後屈する人は、実際には膝を曲げているだけで腰はほとんどそれていません。
これは長時間の座り仕事などで、股関節の前側にある腸腰筋が縮んでいる証拠です。
この場合も骨盤は後傾しています。
股関節痛を抱えている人の多くのは、骨盤が後傾しています。
ただし骨盤が後傾している原因は、
- 太ももの裏のハムストリング
- 太ももの前の腸腰筋
と原因は違います。
そのため前屈と後屈の両方か、やりにくい方の筋肉の柔軟性を取り戻すことが大切です。
やり方
- 足裏を伸ばした状態でハムストリングを伸ばす姿勢になり足にタオルを引っかけます
- その状態からハムストリングを縮める方向に引っ張ります
- 5秒ほど軽く引っ張ったら脱力しましょう
これを三回ほど繰り返します。
やり方
- 上向きで寝ころび、腰の下にクッションなどを入れ腸腰筋を伸ばします
- 逆の足で伸ばしたい側の膝を押さえます
- 5秒ほど軽く腸腰筋を縮めたら脱力しましょう
これも三回ほど繰り返します。
PNFは筋トレでは無いので、強く筋肉に負荷をかける必要はありません。
あくまで軽く力を入れて筋肉の縮む力を取り戻します。
股関節痛を解消するために大切なのは、筋力ではなく筋肉の本来の機能を取り戻す事です。
本来の機能を取り戻して痛みを解消しよう!
股関節痛の多くは筋力不足ではなく機能低下です。
股関節を取り巻く筋肉は運動不足や座り過ぎで機能が低下します。
だから普段から動く時間を増やすと同時に、股関節周りの筋肉の機能を取り戻すように心がけましょう。