潰瘍性大腸炎を解消するには迷走神経が重要だった!
潰瘍性大腸炎と診断された。
午前中は何度もトイレに行きたくなり、下痢と血便がひどくなった。
出血が多いので心配になるが、ステロイドなどの強い薬を使うのも不安だ。
こんなことで悩んでいませんか?
潰瘍性大腸炎は症状の辛さもありますが、ステロイドを服用するのに迷っている人も多くいます。
こちらでは腸に炎症が起こるメカニズムと解消するための方法について書いています。
腸の炎症の仕組み
腸の免疫が抑制される仕組みが解明されました。
肝臓から脳幹へは左迷走神経を介して情報が伝わります。
この肝臓からの情報が伝わらないと、腸の炎症を制御する細胞が著しく減少することが明らかになりました。
さらに、その結果として腸炎が増悪することが分かりました。
この発見は、腸内環境の変化に起因する現代病と呼ばれる、
- 炎症性腸疾患
- メタボリックシンドローム
- うつ病
- 癌
などの治療につながると期待されています。
最近までライフスタイルの変化に伴う腸内細菌などの腸内環境の乱れが、これらの疾患の主な原因として認識されていましたが詳しい仕組みは分かっていませんでした。
この研究は腸内細菌を含む腸管環境の変化を、脳が認識し病気の発症を抑える経路が解明したのです。
研究結果から分かったのは、腸内細菌の情報を肝臓が統合し脳へと送り、脳から腸管へ迷走神経反射を通じて過剰な炎症を抑えるというものです。
腸内での炎症は副交感神経を刺激する迷走神経の働きであると分かりました。
迷走神経(めいそうしんけい)とは、感覚と運動の両方を司ります。
運動神経として嚥下運動や声帯の運動などを行います。
また脳神経でありながら体内で体内で複雑な経路をとり、胸腔内から腹腔内にまで広く分布しています。
迷走神経は様々な内臓に分布し
- 胃
- 小腸
- 大腸
- 心臓
- 血管
などと幅広く体内の環境をコントロールしています。
迷走神経は副交感神経に分類されるので、精神的なショックで過剰に反応すると心拍数や血圧の低下、失神などを引き起こします。
腸内の仕組み
その順序は肝臓から脳へ、脳から腸へ迷走神経を介して行われます。
結果として、神経伝達物質が腸管の免疫系に作用して、アセチルコリンによる炎症性腸疾患や癌などの消化管の疾患の治療ができる可能性があります。
腸管は制御細胞の働きにより、過度の炎症応答が起きないように腸管恒常性が維持されています。
これまで制御細胞の機能には、
- 腸内細菌
- 腸内細菌由来成分
- 短鎖脂肪酸
- サイトカイン
などが重要視されてきました。
神経の病気と考えられてきたうつ病や過敏性腸症候群は、腸内の炎症の発症頻度が比較的高いことから、自律神経は腸管の免疫異常に深く関与していると考えられていました。
肝臓は腸管免疫が過剰に活性化しないように適切な指令を脳から腸へフィードバックします。
この脳から腸へのフィードバックが上手くいけば、潰瘍性大腸炎やクローン病など腸の炎症を抑える可能性がると考えられています。
迷走神経を刺激する方法
迷走神経を刺激する方法としてバルサルバ法があります。
人間の身体は息を止めて力むと、筋肉の緊張が起こっていつも以上の力が発揮できます。
分娩の時にも使われている方法です。
バルサルバ法はこの機能を応用し、一時的に心拍数や血圧を高めます。
すると高まった心拍数や血圧を戻すために迷走神経が活発になるのです。
やり方
- 深呼吸をする
- 息を吐いてから息を止める
- 大きく吸う
になります。
迷走神経が活発になれば、前述したとおりに腸内の炎症が抑えられます。
迷走神経を刺激して腸の炎症を抑えよう!
潰瘍性大腸炎は難治の疾患の一つです。
特に普段からストレスの多い人は何度もくり返すことで知られています。
ですが、迷走神経を正しく刺激できれば腸の炎症はコントロールできるというのが最新の研究で判明しました。