変形性膝関節症の原因と改善法
歩くと膝が痛いので外出が減った
夜寝る時に痛みが出る。
膝を曲げると痛みがあるので膝が曲げられなくなった。
こちらでは膝痛の原因と改善法をお教えします。
変形性膝関節症とは
ひざ関節では、大腿骨と脛骨、膝蓋骨の表面で厚さ6mm程度の軟骨が、骨の間のクッションの役目をしています。変形性ひざ関節症では、この軟骨がすり減り、ひざに痛みが起こります。
膝の変形が進むとO脚になっていきます。
男女比は1:4で女性に多くみられ、高齢者になるほど罹患率は高くなります。
変形性膝関節症の原因は
加齢、筋肉の衰え、O脚やX脚などがあげられます。また、女性患者が多いこともあり、ハイヒールを履く習慣や女性ホルモンの影響なども考えられます、他にはスポーツや事故など、ひざ関節周辺の外傷が原因で発症する変形性ひざ関節症があり。具体的には、骨折、靭帯や半月板の損傷、ねんざなどが影響しています。
手の指の第一関節にできる変形性関節症(へバーデン結節)は、家族歴があるとされていますが、これがある方では、変形性膝関節症を発症するリスクが高くなることもわかっています
変形性膝関節症の症状は
「軽度」
骨と骨のすき間が少し狭くなり軟骨が減っていきます。
立ち上がるときに痛む、ひざがこわばる、動き初めに痛むなどの症状が現れます。
「中等度」
関節軟骨や半月板がすり減り、骨と骨のすき間がさらに狭くなります。ひざを完全には曲げられなくなり
正座しにくい、階段の上り下りでひざが痛む、膝に水がたまるなどの症状が現れます。
「重度」
軟骨や半月板がほとんどなくなり、骨がむき出しになって、骨と骨が直接触れ合うようになります。ひざ関節の変形も進み、痛みが強くなります。
じっとしていても痛む、ひざの曲げ伸ばしが難しい、歩くときにひざが横揺れする、歩行困難などの症状が現れます。
変形性膝関節症の診断方法は
問診や診察、触診で膝内側の圧痛の有無、関節の動きの範囲、腫れやO脚変形などの有無を調べ、X線(レントゲン)検査で診断します。必要によりMRI検査などをします。
変形性膝関節症の治療方法は
保存療法と手術療法があります。
保存療法
痛み止めや外用薬、注射、関節可動域上げる運動や筋力強化を上げる運動があります。
手術療法
関節鏡(内視鏡)手術、高位脛骨骨切り術(骨を切って変形を矯正する)、人工膝関節置換術などがあります。
変形性膝関節症の改善方法は
股関節や膝関節の可動域を上げるためのストレッチや運動をいれていき、その他には食事に気をつけます。
膝痛を放置しておくと、炎症が続いて軟骨や骨が徐々に傷んできます。O脚が進行するところまでいってしまうと、軟骨への負担がさらに強まるので、なかなか元へ戻せません。まずは改善・予防として痛み始めの段階で修正することが大切です。
そこで、効果的なのは柔軟性と筋力をつけることです。柔軟性をあげたり、筋肉を鍛えると、膝の痛みが緩和します。これは筋肉がしっかりすることで、関節が安定した状態で動き軟骨のすり減りを抑えられるからです。軟骨の磨耗を防ぐには、柔軟性や筋力を鍛えることが効果的です。
準備するもの:大きめの丸めたタオル
①仰向けで寝ます
②運動したい方の膝の裏に、丸めたタオルを入れます
③このタオルを膝で押し付けるように力を入れ、この状態を10~30秒キープします。
※力を入れる際に身体が傾かないように注意しましょう 10~30秒✕3セット 左右で
①仰向けで寝ます
②片足はまっすぐに伸ばし、もう片足は膝を曲げます
③まっすぐに伸ばした足の足先を自分の方に向くようにさせます
※足首から動かすように、足先を自分の方へ向けてください
④伸ばした足を20°〜30°浮かせ、この状態を10~30秒保ちます 10~30秒✕3セット 両足で行ってください
1、座った状態で足の裏を合わせてあぐらの姿勢になります。
2、可能ならかかとが股関節につくまで引き寄せます。
3、両手を両膝の上において上下に揺らしましょう。膝が床につくくらいが理想です。
30秒ほど行います。
1、仰向けで寝て両膝を立てます。
2、両膝を立てたまま肩幅より広めに広げます。
3、その状態から膝を順番に内側に倒しましょう。
両膝を10回ずつくらい倒します。
準備するもの:タオル
①椅子に座ります
②タオルを広げ、足の指にタオルの端がくるようにします
③足の指でタオルを掴みながら、タオルを手繰り寄せますタオルを全部手繰り寄せたら、タオルを広げ繰り返し行います
これを左右で5回ずつ行ってください。
①ストレッチをしたい方の足を後ろに引き、一歩踏み出した状態にする
②一歩前に出した足に体重をかけて腓腹筋を伸ばす *後ろ足の膝をしっかり伸ばし、踵が浮かないように注意して下さい。
③この状態で、ふくらはぎに伸びている感覚が出たところで30秒キープする
左右行ってください。
食事から改善する
油のとり方に注意が必要です。
人間の体内作ることができる一価不飽和脂肪酸と、作ることのできない多価不飽和脂肪酸に分類されます。一価不飽和脂肪酸の代表はオリーブオイルに多いオレイン酸です。酸化しにくく加熱調理に向きます。
多価不飽和脂肪酸にはオメガ6系とオメガ3系がありいずれも食事で取る必要のある必須脂肪酸です。
オメガ3系脂肪酸
えごま油、亜麻仁油、青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)
オメガ6系脂肪酸
コーン油、大豆油など、身近な油の主成分でもあります。
オメガ9系脂肪酸
オリーブオイル
関節痛は炎症の一つです。炎症を起こしやすい食べ物を摂りすぎることで関節に痛みが出ていることがあります。例えば牛肉ばかり食べていて、脂身に多く含まれるアラキドン酸というオメガ6系のあまりよくない脂肪酸を摂っている場合、炎症を引き起こしやすくなり関節が悪化したりします。
反対に青魚などに含まれるオメガ3系の良質な脂肪酸は、炎症を抑える作用を持っています。こういった食事指導をすると関節痛がよくなる方は結構多いです。お肉が単純に悪いわけではありませんが、炎症という意味では悪化要因にもなるということ
EPA(エイコサペンタエン酸)とはあん肝やすじこ、さばなどに多く含まれる脂肪酸で、抗炎症作用の高いプロスタグランジンE3の原料です。
また、関節痛の緩和だけでなく、精神的ストレスを抑制する作用することからも変形性膝関節症への良い影響が期待できます。というのも、人間はストレスがかかると、痛みを抑制するためのドーパミンが正しく分泌されず、痛覚が増してしまうのです。つまりストレスを減らすことも、痛みの緩和には大事なことだと言えます。
食生活がお肉中心だとEPAが極端に不足してしまうため、なるべく魚中心の食卓を心がけましょう。
厚生労働省の食事摂取基準ではオメガ6系を4~5に対しオメガ3系は1の割合が望ましいとされています
活性酸素には酸化作用があり、この「酸化」が炎症を助長してしまいます。揚げ物ではサラダ油を使いますが、加熱することで油は酸化。つまり炎症に良くない状態で摂取しているのです。
また、油の酸化は時間が経つほどに強まります。そのため翌日の唐揚げや天ぷらは、さらに炎症を誘発する食べ物になっていると言えるでしょう
ビタミンを摂る
体がダメージを負うと、損傷した組織を修復するため、活性酸素が発生します。体の正常な反応ではありますが、これが増え過ぎると厄介。正常な細胞まで攻撃してしまったり、痛みを発する物質が増えてしまったりするのです。
この活性酸素が増え過ぎないようにするのが、抗酸化物質。代表的なものだとビタミンCやビタミンEがあげられます(他にもポリフェノールやカテキンなど)。ビタミンCだと果物や緑黄色野菜、ビタミンEはたらこやいくらなどの魚卵系、またはナッツ系に多く含まれています。
まとめ
いかがでしたか膝の治療は早ければ早いほど良いですので、治療を始めてください、痛みがきついときは無理にしないようにしてくださいね。