人間ドック9項目の⑦血液検査前半
人間ドックは大切だと言われるけど何が重要なのか?
色々な検査が多くてどれが必要か分からない。
各検査では何が分かるのか知りたい。
今回は血液検査を前半と後半に分けて紹介します。
前半の今回は肝臓と腎臓、膵臓に必要な項目に絞っています。
そのため、アルコールや過労が気になる人や腰痛やむくみが気になる人、糖尿病などが心配な人に特にお勧めの内容となっています。
血液検査の内容とは
血液を採取してさまざまな異常を調べますが、直前になって何かしても急には変わりませんので普段通りの状態で受けましょう。
特に糖尿病の指標となる血糖値はあくまでヘモグロビンA1Cと呼ばれる血糖値の平均値を参考にするので、直前に血糖値を下げる努力をしても意味はありません。
また中性脂肪などは空腹でないと正しく評価できないので、医師の指示に従って普段通りの生活で臨みましょう。
血液検査では主に、
- 肝臓の異常
- 腎臓の異常
- 膵臓の異常
などで様々な病気が分かります。
肝臓系の異常を示す数値としては、
- 総タンパク
- アルブミン
- AST(GOT)とALT(GPT)
- γGTP
などになります。
これだけ見せられても何のことか分かりませんよね。
ですが、知っておけば普段の生活に何が必要かが分かるので知って損はありません。
一つ目は血液中の総たんぱくの量が示すのは数値が低い場合は栄養障害などが考えられ食生活を見直す必要があります。
逆に総たんぱくが高い場合には多発性骨髄腫や慢性炎症、脱水などが疑われます。
具体的な数値は検査結果の隣に書いてあるので参考にして下さい。
二つ目はアルブミンの数値です。
肝臓で合成されるアルブミンは肝臓障害や栄養不足などで減少します。
肝臓の状態を知るための基準として分かりやすい数値です。
睡眠不足や過労の状態でも減少しています。
AST(GOT)とALT(GPT)は、心臓や筋肉、肝臓に多く存在する酵素です。
数値が高い場合は急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝、肝臓がん、アルコール性肝炎などと様々な肝臓の疾患が疑われます。
ですがGOTのみが高い場合は心筋梗塞や筋肉疾患などで肝臓の問題とは限りません。
三つ目のγ-GTPは、肝臓や胆道に異常があると血液中の数値が上昇します。
数値が高い場合はアルコール性肝障害や慢性肝炎、胆汁うっ滞、薬剤性肝障害が疑われます。
そのため普段からアルコール量が多い人や薬の量が多い人は特にチェックしておきたい項目です。
腎臓系の検査では、
- クレアチニン(Cr)
- 尿酸(UA)
などを見ます。
クレアチニンはアミノ酸の一種が代謝されたあとの老廃物で、筋肉量が多いほどその量も多くなるので男女差があります。
健康なら腎臓でろ過されて尿中に排泄されるので、数値が高いと腎臓の機能が低下していることを意味します。
次に尿酸は、たんぱく質の一種であるプリン体という物質が代謝された後の老廃物です。
この検査では尿酸の産生・排泄のバランスがとれているかどうかを調べます。
高い数値の場合は高尿酸血症といい、痛風発作や尿路結石の原因となります。
膵臓の基本的な検査項目としては、
- 中性脂肪
- コレステロール
- 血糖値
などもあります。
脂質系検査もありHDLコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれるものです。
血液中の悪玉コレステロールを回収するので、少ないと動脈硬化の危険性が高くなります。
LDLコレステロールは悪玉コレステロールとよばれるものです。
LDLコレステロールが多すぎると血管壁に蓄積して動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険性を高めます。
中性脂肪(TG)は体内の中でもっとも多い脂肪で、糖質がエネルギーとして脂肪に変化したものです。
数値が高いと動脈硬化を進行させます。
血糖値が高いと、
- 糖尿病
- 膵臓癌
- ホルモン異常
が疑われます。
HbA1C(ヘモグロビン・エーワン・シー)は、過去1~2ヶ月の血糖の平均的な状態を反映するので、検査前の数日の行動は反映されません。
逆を言えばこのHbA1Cが安定して来たら身体は正常に近づいていると言える指標です。
まとめ
血液検査の項目は非常に多岐に渡るので前半と後半に分けました。
その中でも今回、紹介したのは肝臓と腎臓、膵臓に関するものになります。
見て頂いて分かる通り全部の数値を理解するのは難しいので自分の気になる内臓に関する数値を覚えましょう。