狭心症に使われるアスピリンで喘息が起こるのは何故か?
アスピリン服用の副作用は大丈夫だろうか?
血液をサラサラにすると聞いたが、副作用もあると聞いた。
このまま服用を続ける事が本当に狭心症には必要なんだろうか?
こんな悩みを頂きました。
狭心症は薬だけでは、
狭心症とアスピリン
アスピリンとは正式にはバイアスピリンと呼ばれ、血液をサラサラにするお薬は抗血小板薬になります。
安定している虚血性心疾患の患者さんの治療に欠かせない薬の一つです。
狭心症で使われる主な薬には、
- β遮断薬
- Ca拮抗薬
- ニトログリセリン
などの心筋虚血の症状を抑える薬が使われます。
その他に急性心筋梗塞や死亡といった重大な心血管疾患を予防するのがバイアスピリンなどの抗血小板剤になります。
交感神経が優位の血流の速い環境下では、血小板が活性化しやすくなります。
そのため、動脈硬化を発症し血流の早い人は血栓ができやすいので、抗血小板薬で血液の凝固を抑えことが必要になります。
バイアスピリンの主な副作用は、
- 歯茎や皮下の出血
- 消化管や脳の出血
- 肝障害
- 喘息発作
などがあり、特に他の抗血栓薬との併用時は要注意です。
血液はサラサラにし過ぎると、血管が膨らみ気管を圧迫するるので喘息の症状が出るのです。
血管は血流がサラサラなほど、膨らむ傾向があり、血管が膨らみ過ぎると気道を狭くします。
アスピリンという薬によっておこる喘息発作はアスピリン喘息と名前をつけられるほどに有名です。
その他にも、アスピリンと同じ作用がある薬である非ステロイド性消炎鎮痛薬でも、喘息発作が副作用として起こる危険があります。
しかも、成人喘息の約10%がアスピリン喘息だと言われるほどの頻度で発生しています。
いくら狭心症のためとはいえ、薬に頼ればこういったリスクとも戦わなくてはいけません。
ですが、本当に狭心症にはそんな対策しかないんでしょうか?
普段の食事で狭心症を予防しよう!
そもそも、狭心症の症状が悪化する背景には、血液がドロドロになる食生活があります。
ドロドロ血液とは、
- 高血糖
- 高脂血症
- 高血圧
- 高コレステロール症
などが隠れています。
こられの四つの症状は、死の四重奏と呼ばれ恐れられています。
こんな恐ろしい症状を、事前に防ぐためには普段から食生活を工夫することが必要です。
ポイントとなるのは、血液をサラサラにする食事です。
血液をサラサラにする食品にも、色々なタイプがあり、
- ナットウキナーゼ
- クエン酸
- 不飽和脂肪酸
- ポリフェノール
- 水分
などがあります。
最近、注目が集まっているのが納豆のネバネバ成分に含まれるナットウキナーゼという酵素です。
抗血小板作用があるので、アスピリンと似たような作用が期待できます。
そのため、血栓を溶かすワーファリンという薬を飲んでいる人は、納豆の過食を控えるように指導されます。
それほどにナットウキナーゼの効果は強く、薬を飲んでいない人は毎日でも食べたい食材です。
昔から、血液をサラサラにする効果があると期待されているのが梅干しです。
梅干しは三毒を断つと言われ、血液をサラサラにするほかにも胃もたれや浮腫みの解消にも役立つことで知られています。
それらの梅干しの効果の秘密が、クエン酸になります。
そのため、梅干し以外でもお酢類などのようにクエン酸を含むものには血液をサラサラにする効果が期待できます。
海産物と言えば、魚は外せません。
その中でも青魚には、血管の弾力性を高めるDHAとEPAという不飽和脂肪酸が含まれます。
特に、
- イワシ
- サバ
- サンマ
などはDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)の宝庫です。
もちろん、旬の生の魚を食べるのがベストですが、時間が無い人は缶詰でも構いません。
大切なのは、普段から青魚を食べる習慣をつける事です。
血管の弾力性や赤血球の柔軟性は、簡単に向上するわけではありませんが、続ける事で高い効果が期待できます。
ちなみに、赤身の魚にはDHAやEPAはあまり含まれていません。
また、戻り鰹には多く含まれていますが、春獲れの初鰹にはあまり多くは含まれていません。
最後に、血管のために摂りたいのがポリフェノール類です。
赤ワインやブドウなどに含まれているポリフェノール類には、コレステロールの酸化を防ぎ、血管の老化を防ぐ働きがあります。
ただし、赤ワインの適量は1日グラス1杯(180ml)と言われます。
ポリフェノールには多くの種類があるので、
- ニンジンやブロッコリーに多いβカロテン
- トマトに多いリコピン
なども含まれます。
アスピリンよりも食事に気をつけて健康になろう!!
狭心症の原因がドロドロな血液にあったとしても、安易な薬の服用は副作用の面でお勧めできません。
特にアスピリンに代表される抗血小板薬は喘息発作を招き、間質性肺炎の原因ともなります。
理想の狭心症の対策は、普段から血液がドロドロにならないような食事を心がける事です。