老化によって心不全が多発するのは何故か
最近に限らずですが、テレビのニュースでも心不全で亡くなる有名人も多くいます。
心疾患が日本人の死因第二位なので多いのは当然ですが、そもそも年をとれば心不全の危険は格段に高まります。
こちらでは年齢と共に危険が高まる心不全の予防法を紹介します。
老化によっておこる変化
身体は老化することによって様々な変化が起こります。
筋力の低下などは最も自覚しやすい症状の一つです。
他にも内臓機能の低下や、ホルモンの分泌量が減少したりと色々な事が起こっています。
結果として、
- 下垂体
- 甲状腺
- 副腎皮質
からのホルモンは加齢と共に減少します。
身体は動きづらくなった分だけ、エネルギーを欲しがるので身体は高血糖の状態になりやすくなります。
さらに、骨などが弱くなる事からカルシウムの吸収量を上げようとします。
合わせて、代謝は落ちているのに糖質とカルシウムが血中に多くなって、血流を悪化させます。
こられにより心臓は、
- 拡張機能不全
- 心拍出量低下
- 微小梗塞
などを起こします。
高齢者に起こる機能低下
加齢と共に身体の機能は徐々に衰えます。
なかでも、
- 骨格筋量の減少
- 筋力の低下
を近年ではサルコペニアと表現します。
また、心身の活力の低下はフレイルと呼ばれます。
このサルコペニアとフレイルを抑えることが、健康寿命を延ばすのに大切だと提唱されています。
筋力の低下は全身の機能の低下につながるので、サルコペニアが起こるとフレイルを生じます。
サルコペニアとは、ギリシャ語で筋肉の喪失を示表します。
加齢に伴う筋力の低下を指し、高齢者の約20%が該当する症状です。
サルコペニアが進むと、転倒や骨折、寝たきりなどの原因となるので予防の必要性が叫ばれています。
サルコペニアは、
- 筋肉量
- 歩行の速度
- 握力
が診断基準となります。
筋力を測るには、指輪っかテストを行います。
これは、ふくらはぎの最も太い部分と両手の親指、人差し指で作った輪っかとどちらが大きいかを比べます。
指の輪っかよりふくらはぎの太い部分が細いと、サルコペニアの可能性が高いと判断します。
指の輪っかよりも細い場合は、バランスのよい食事と運動が必要です。
運動ではウォーキングやスクワット、食事ならタンパク質とカルシウムが大切です。
ただし、タンパク質やカルシウムだけをサプリなどで偏って摂取するのは危険です。
大切なのは、普段の食事で意識する事です。
フレイルとは、海外で使われている用語で日本語に訳すと虚弱と表現されます。
人は加齢により様々な機能が低下し、思うような社会生活が送れなくなります。
フレイルは、病気も含めた機能の低下や筋力の低下、認知機能の低下など様々な問題を指しています。
また社会と交流する機会の減少などもフレイルの一環と考えています。
フレイルを解消するのも運動と栄養です。
サルコペニアと同じ有酸素運動やバランスのとれた食事が基本です。
そしてフレイル予防にもう一つ重要な要素が、社会参加です。
大切なのは、年を重ねても生きがいを持って社会に参加するために、老いに対して知識を持ち適切に備えることです。
未来に備えて健康な未来を!
心不全は突然にやってくる症状ではなく、徐々に身体が弱ってきた結果として起こります。
サルコペニアもフレイルも予防しておこうと思えば、運動とバランスのとれた食事が欠かせません。
身体は放っておけば弱るばかりなので、適切な対処をして備えましょう。