虚血性心疾患に使われる脂質異常症の薬とは
脂質異常症と診断された。
身体は痩せ気味なのに問題があるんだろうか?
食事は見直した方が良いが、医師からは体重はあまり減らさないようにと言われた。
肥満ではなく中性脂肪に問題がない場合は、脂質が多少あってもコレステロールが低ければ大丈夫なのだろうか?
脂質異常症とは
脂質異常症とは血液中のコレステロールが多い状態で、放置すると動脈硬化を引き起こす疾患です。
脂質異常症はどんどん増えている疾患で、高血圧と糖尿病に次いで多い病気です。
ですが無症状のため、沈黙の病気と呼ばれ気づかずに進行します。
そして進行すると血栓ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞などの怖い病気を引き起こします。
WHOの2016年の統計によると、脳梗塞や心筋梗塞などの心血管疾患で亡くなったのは世界で1790万人とされ、実に全世界の死亡の約30%を占めています。
そのため脂質異常症の解消は、世界的に見ても大きな課題とされています。
脂質異常症を解消するには
脂質異常症の原因となるのは、LDLコレステロールです。
コレステロールは、人間の生命を維持するのに必須の物質で肝臓で合成されます。
悪役に思われがちなコレステロールは、
- 細胞の膜
- ホルモン
- 胆汁(脂質や脂溶性ビタミンを吸収する)
などの材料となります。
最近では、肝臓でのコレステロールの合成を阻害する薬が発明され脚光を浴びています。
その元となる物質は、青カビが作る物質でした。
コレステロールが足りなくなると、血管が破れやすくなったり免疫力が低下したりします。
LDLコレステロールは、血管に炎症が起こったときに修復する役割を果たします。
つまりLDLコレステロールが血管に詰まるとは言っても、何度も繰り返し血管に炎症を起こす、
- 喫煙
- 高血糖
- ストレス
などの方が問題なのです。
そのため、まずは禁煙や炭水化物に偏った食生活を改めましょう。
卵は本当に悪者か?
以前には、卵などのコレステロール含有量の高い食材が危険視されていましたが、最近では食事によるコレステロール値の変化は少ない事が分かっています。
人間のコレステロールの80%が肝臓で作られたもので、食物から摂取されるコレステロールは20%にすぎません。
本来なら人間の身体は血液中のコレステロールを一定に保つように調整していますので、コレステロールの含有量の高い食べ物を食べても急にコレステロール値は上がりません。
そのためコレステロール値が高くなる原因は、
- コレステロール値を調節できなくなっている
- 血管の修復などにコレステロールが大量に必要とされている
などになります。
そのため実験でも、健康な人が1日に2個の卵を食べてもLDLコレステロール値は変わりませんでした。
なぜなら鶏卵には、コレステロールの動脈壁への沈着を抑える不飽和脂肪酸(リノール酸)が、多量に含まれているからです。
さらに鶏卵には、
- コレステロール値を下げるアミノ酸のシスチン
- 動脈硬化を予防する脂肪酸のレシチン
が多量に含まれています。
だから卵はコレステロール値を上げるどころか、コレステロール値を下げるのに役立つとまで最近では言われています。
結局のところ脂質異常症を防ぐには、過度なコレステロールが作られないように適度な運動をすることが大切です。
普段から体操やストレッチを行って、血管の柔軟性を高める事が脂質異常症を解消するのに効果的だと言われます。
食べ過ぎはよくありませんが、毎日の30分のウオーキングをするだけでも脂質異常症は徐々に解消されます。
正しい知識で脂質異常症を解消しよう!
脂質異常症は食生活の問題だけではありません。
食事によるコレステロール値の影響は少ないからです。
それよりも、適度にエネルギーを消費出来るように運動をする方が効果的なのです。