心筋梗塞を予防する栄養素
心筋梗塞を起こす人は栄養状態が悪い事が指摘されています。
過食や偏食が目立ち、血液検査でも高血糖や高脂血症が見つかる事が多くあります。
こんな人たちの多くは動脈硬化が進行した結果として、心筋梗塞を引き起こしているのです。
こちらでは、心筋梗塞を起こしやすい人の特徴と、心筋梗塞を予防する栄養素について紹介しています。
心筋梗塞になりやすい生活習慣
心筋梗塞を起こしやすい人の生活には特徴があり、
- 朝食を抜く
- 夕食が遅い
という点が指摘されています。
夕食が遅いというのは、単に食べる時間を指すのではなく、就寝する2時間前以内に食べているかになります。
要は食べたらすぐに寝てしまうという生活が動脈硬化を引き起こす原因となるという事です。
また、朝食にコーヒーや水などの飲み物しか口にしない習慣も危険視されています。
朝食を抜くと血糖値のコントロールが下手になり、一日を通して血糖値が高い状態が続きやすくなるのです。
高血糖の状態も血管を傷つけ動脈硬化の原因となります。
こんな生活習慣を続けている人は、そうでない人と比べて心筋梗塞の発症リスクが約4倍もあると言われています。
心筋梗塞を起こしやすい食事
心筋梗塞を起こしやすい人は、飽和脂肪酸を摂り過ぎている事が多くあります。
動脈硬化の原因として、中性脂肪やコレステロールの摂り過ぎが問題視され、
- ベーコン
- コンビーフ
などの肉の加工品を好んで食べる人は摂り過ぎる傾向にあります。
もう一つ危険視されているのは、トランス脂肪酸の摂り過ぎです。
マーガリンやショートニングを使用するクッキーやケーキなどのお菓子や、ファーストフードなどの加工食品に多く含まれます。
こういった飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を過剰に摂取し続けると、血管を狭めてしまうLDLコレステロールが増加するのです。
心筋梗塞を予防する栄養素
現代の医学では、心筋梗塞を予防するのに有効だと証明されているのが、
- ナイアシン
- ビタミンB6
- ビタミンC
- ビタミンE
- 亜鉛
- カルシウムとマグネシウム
になります。
ナイアシンとは、ビタミンB3とも呼ばれ水溶性ビタミンです。
ナイアシンは体内でも合成され、肝臓でトリプトファンというアミノ酸から作られます。
ナイアシンは熱に強いので、調理の過程でそんなに失われませんが、水溶性なので溶けだしてしまいます。
ナイアシンは、
- 鶏肉
- 魚
- キノコ類
- ナッツ
などに多く含まれます。
また、ナイアシンは神経細胞で脂質や糖分を分解して、神経を安定させる働きがあることが知られています。
そしてナイアシンには血管拡張作用があるので、虚血性心疾患の解消の効果が期待されています。
他にもアルコールを飲んだとき、アルコール分解を助けるのもナイアシンです。
お酒のあてにナッツ類を食べるのは理に適っているのです。
ビタミンB6はタンパク質と結合した状態で存在し、アミノ酸の代謝を助けます。
マグロなどの赤身の魚に多く含まれます。
ビタミンB6の不足はホモシステインが上昇し、動脈硬化などにより心筋梗塞を引き起こすと考えられています。
ホモシステインは、血中コレステロールを下げ活性酸素を取り除くメチオニンの中間生成物になります。
そのため、ビタミンB6はホモシステインの排泄を促します。
また、ビタミンB12と葉酸はホモシステインをメチオニンに戻して、血中コレステロールを下げてくれます。
ホモシステインを放っておくと血液を固まりやすくさせ、アテロームを作りやすく動脈血栓の原因となります。
ビタミンCにには血管拡張作用があることが確認されており、虚血性心疾患の解消に効果があることが確認されています。
ビタミンEは、血管を拡張させると同時に、血小板凝集を妨げる機能があります。
ビタミンEの中でも、主に身体の中で使用されるのはαトコフェロールと呼ばれる物質で、ナッツやひまわり油などの植物油はαトコフェロールの含有量が非常に高い事で知られています。
急性心筋梗塞後で低下した心機能が、亜鉛の摂取で心機能の向上が確認されました。
カルシウムが不足すると、骨からカルシウムを溶かし出し骨粗しょう症の原因になります。
さらに溶けだしたカルシウムが血液中に増えると、血管の収縮が強くなり心筋のリズムを狂わせて心筋梗塞の原因となります。
またマグネシウムが不足すると、カルシウムの排泄が促されるので、結果としてカルシウム不足が起こる場合もあります。
おすすめの油
ひまわり油はご存知でしょうか?
ひまわり油とは、キク科に属しているヒマワリの種子を搾った油になります。
サラダ油の種類の中でも飽和脂肪酸が少く、
- リノール酸
- ビタミンE
を多く含みます。
ひまわり油には、オレイン酸を多く含むタイプと、リノール酸を多く含むタイプの二種類があります。
このうち、オレイン酸が多いタイプのものには多くの効能があります。
ひまわり油には、動脈硬化を引き起こす活性酸素を抑制する抗酸化成分が含まれています。
また、ひまわり油を摂取するとLDLコレステロールが減少します。
動脈硬化の二大原因である活性酸素とLDLコレステロールを減らすことで、虚血性心疾患の予防にも大きく貢献してくれるのです。
虚血性心疾患は生活習慣から改めよう!
虚血性心疾患を起こす人の多くは、生活習慣が悪く血管に負担をかけています。
そのため、生活習慣を改めるのが基本となります。
そして、虚血性心疾患の予防のためには、動脈硬化を起こした血管を柔らかくするために色々な栄養素を意識して摂るのが大切です。