心臓疾患がある人の適切な水分量とは
心臓の悪い人が水分制限するのはなぜだろう?
塩分制限と同じ理由だろうか?
制限を越えると悪いことが起こるんだろうか?
狭心症を発症した人からよくある質問です。
こちらでは水分と心臓の関係と、適切な水分量について書いています。
心臓疾患になりやすい人の特徴
水分は多すぎても少なすぎてもいけません。
植物への水やりと一緒で、少なければ枯れてしまいますが、多すぎても根腐れを起こしてしまいます。
だから水分は1日2Lが健康という人はいますが、人によってちょうどいい人もいれば、足りない人も多すぎる人もいます。
身体の水分は
- 汗
- 尿
- 呼気
から体外へ排泄されます。
ですが、排泄される水分量は年齢や性別、生活習慣などにも大きく影響されます。
だからどれだけの水分量をとれば良いのかではなく、自分に適した水分量はどれくらいかを知る事が大切です。
腎機能は年齢と共に弱るので排泄能力は低下します。
また汗をかきにくい体質の人は、もともと排泄能力が低いので過剰な水分は身体の負担となります。
雨の日に身体が重だるいと感じやすい人は、排泄能力が低いと言えます。
余計な水分が身体に及ぼす影響
身体に余分な水分が溜まっていると、
- 高血圧
- 不整脈
- 心不全
などの原因となります。
これは心臓が送り出す血液量が増える事で、心臓の負担が増えるからです。
また雨に弱い人は朝にも弱く、起きてすぐに頭痛や肩こりを感じる人は水分が過剰と言えます。
また低気圧が近づくと湿度が上がると同時に酸素密度が低くなるので、普段と同じように呼吸をしていても体内は酸欠状態となります。
酸欠状態だと身体の機能が低下して、排泄や循環の機能が低下します。
適切な水分量とは
人間の身体は水分が減れば、身体に水分を貯めるようにできています。
ところが心不全では、実際には身体の水分が減っていないのに、減ったと勘違いして体液量を増やす傾向にあります。
そのため、健康な人と同じだけの水分量を摂ると身体の水分量が過剰になるのです。
心不全では、心臓機能が低下しているので血液量が少し増えただけでも負担となります。
ですが過剰に水分制限をすると血液がドロドロになり、それも心臓の負担となります。
適切な水分量は人によって違うので、まずは1日に1ℓから始めましょう。
東洋医学の考え方は症状が出ない状態が理想なので、厳密にどれくらいの水分量とは決めません。
そのため、まずは飲んでみて不具合があれば量を加減するのが基本となります。
また季節によって汗をかく量に違いがあるので、一度決めた水分量でも臨機応変に加減しましょう。
季節や体調によっても適切な水分量は変わるので、一年を通して同じ量を守る必要はありません。
普段から自分の状態を基準にしよう!
病院では心臓疾患のある人に対して、水分制限や塩分制限を提案します。
それ自体は当然なのですが、男女差や体格差、生活習慣などを考慮する必要があります。
一人一人の適切な水分量は違うので、まずは1ℓくらいを目安に始めましょう。