腕のしびれの原因となるのは小胸筋を含むDFAL
腕の痺れがとれない。
積み下ろしの作業をするとひどくなる。
使い過ぎだとは思うが、仕事をしながら治す方法はないんだろうか?
こんなことで悩んでいませんか?
こちらでは身体の負担を軽くして腕のしびれをとるために必要な事を書いています。
腕の負担を減らすディープフロントアームライン(DFAL)とは
DFALは体幹から腕につながる筋肉の中でも、小胸筋から上腕二頭筋を経て母指球筋へとつながる筋膜です。
筋膜はいくつかの筋肉をまとめて覆っている膜です。
DFALは表層の筋膜を安定させる効果もあります。
表層の筋膜は大胸筋や広背筋から始まり手根屈筋までつながっており、DFALが機能することで安定した機能を発揮します。
そのため小胸筋や上腕二頭筋の動きが不十分だと、大胸筋や広背筋から手根屈筋までは疲れやすくなります。
腕のしびれの多くは、DFALの小胸筋から上腕二頭筋が緊張しているために起こります。
小胸筋は浅い呼吸や歪んだ姿勢の影響を受けやすく、短縮しやすい筋肉です。
小胸筋が短縮すると巻き肩を起こし、大胸筋や広背筋を疲れやすくさせます。
そのため母指の腱鞘炎が小胸筋の緊張から起こっている場合もあるのです。
浅層の屈筋群は手指中央までしか影響しませんが、深層の屈筋群は手指先端まで影響します。
影響を受ける範囲
上肢や体幹の姿勢を制御して腕のしびれに影響を与えるDFALですが、短縮しやすい傾向を持ちSFLの腹筋からの影響を受け大胸筋をかいして巻肩になる傾向もあります。
結果として前鋸筋や肩甲骨の動きも制限され姿勢が猫背になっていきます。
猫背だから腕がしびれるのではなく、猫背だと腕のしびれの原因となる小胸筋が緊張しやすいのです。
さらにDFALは下肢から体幹の力を手まで伝えています。
さらにスパイラルライン(SPL)やスーパーフィシャルフロントライン(SFL)などの影響も強く受けます。
下肢から起こる力を手部まで伝えるためには、広背筋や大胸筋が効率的に機能しなければなりません。
前腕の屈筋群の強さは体幹の強さに比例します。
そのため大胸筋や広背筋は指を曲げる動作や物をつかむ動作に大きな影響を与えています。
大胸筋や広背筋が硬い人は指に力が入りやすく、腕がしびれやすいのに加えて腱鞘炎やばね指の原因ともなります。
スパイラルラインとは
スパイラルライン(SPL)は身体バランスの維持や回旋動作に作用します。
SPLは他の多くのラインに加わり、他のラインへの影響が大きいラインです。
主に姿勢を維持して転倒を防ぐ機能があります。
後頭部の筋肉から始まり、肩甲骨の間の菱形筋から前鋸筋へとつながります。
そして外内腹斜筋から大腿筋膜張筋と腸脛靭帯を経て前脛骨筋・長腓骨筋を下行します。
その後に大腿二頭筋から脊柱起立筋を経て後頭部に戻る珍しいラインです。
このラインは身体を捻じる事で整うので、ラジオ体操の身体を捻じる動きをしましょう。
また身体を大きく捻じるとお腹の内部に圧力がかかるので、内臓の解毒作用やデトックス効果などもあります。
そのためお腹も意識して捻じるとより効果的です。
筋肉が動けば腕のしびれは解消できる!
腕のしびれは姿勢の歪みから起こるのではありません。
姿勢が歪むくらいに小胸筋や上腕二頭筋が硬くなっているのが原因です。
大切なのは、筋肉が硬くなる原因を取り除いて腕がしびれにくい身体を手に入れる事です。