リウマチなどの自己免疫疾患が起こる原因
免疫力を高めることが大事だと、様々なメディアで取り上げられています。
ですが、免疫には多くの種類があり役割が決まっています。
今回は、そんな数多くある免疫を紹介します。
実は免疫機能は良い事ばかりでなく、抑制が出来なくなるとリウマチなどの自己免疫疾患の原因となります。
免疫の種類
免疫を大きく分けると、
- 自然免疫
- 獲得免疫
があります。
主な白血球(免疫細胞群)の種類
白血球は、身体の中に侵入してきたウィルスや細菌などから、常に命を守り続ける有名な免疫細胞です。
一口に白血球とは言っても、多くの種類があり緻密な連携を組んで異物と戦っています。
白血球の中でも樹状細胞は、外から様々な異物が侵入する余地がある
- 鼻腔
- 肺
- 胃
- 腸管
- 皮膚
などに主に存在しています。
樹状細胞は異物を直接に攻撃しませんが、異物を自分の中に取り込み情報を他の免疫細胞に伝えるのが主な働きです。
マクロファージも白血球の一種で、アメーバ状の細胞で身体の中に侵入してきた異物を取り込んで消化します。
また、他の免疫細胞と共同で、
- TNF-α
- インターロイキン
- インターフェロン
などといった免疫細胞を活性化させるサイトカインという物質産生も行っています。
白血球の種類は多い
リンパ球も白血球の一種で、
- T細胞
- B細胞
- NK細胞
とあります。
T細胞はウィルスなどに感染した細胞を見つけて排除する役割です。
さらにT細胞は細かく分かれて、
- ヘルパーT細胞
- キラーT細胞
- 制御性T細胞
の3種類があります。
T細胞は役割が完全に分かれており、それぞれが違った役割を担います。
まず、ヘルパーT細胞が樹状細胞から情報を受け取って、キラーT細胞が活性化する物質を出します。
キラーT細胞は樹状細胞からの情報を元に、ウィルスに感染した細胞やガン細胞を排除します。
最後に制御性T細胞は、キラーT細胞などが正常細胞にも過剰な攻撃をしないように、キラーT細胞の働きを抑制します。
また、免疫反応を終了に導くのも制御性T細胞の役割です。
そのため、制御性T細胞が不足すると、勢い余って正常な細胞を攻撃する自己免疫疾患の原因となります。
次にリンパ球の一種であるB細胞は、抗体を産生する免疫細胞です。
抗体は肝臓で作られる免疫グロブリンの事で、IgGやIgEなど五種類あります。
また、B細胞は抗体に見合った外敵が出現した場合にのみ、活性化し抗体を作り出します。
B細胞の暴走も正常細胞を傷つけます。
最後のNK細胞は常に単独行動で、他からの情報を待たずにウィルスに感染した細胞などを発見すると攻撃します。
胸腺というのはT細胞を作るための臓器です。
B細胞とT細胞はそれぞれ骨髄、胸腺で形が出来て血液中へ出て行きます。
それからリンパ節や脾臓で、成熟して立派な免疫細胞になります。
リウマチと関係する免疫寛容
関節リウマチなどの自己免疫疾患には、免疫機能の暴走が関係しています。
免疫細胞である B 細胞と T 細胞は、免疫寛容というシステムにより数が増えすぎないように調節されます。
免疫細胞は、免疫寛容という身体の抑制があって適度な免疫の強さとなるのです。
この免疫寛容のシステムが破綻すると、正常な細胞まで攻撃して慢性的に炎症が起こります。
リウマチなどの慢性的な炎症は、免疫寛容のシステムが破綻したために起こるのです。
免疫寛容の働きを高めるために、アレルゲンの経口投与がアレルギー疾患の治療として採用されています。
免疫力には腸内細菌が深く関わっており、腸内細菌の種類と数によって免疫のシステムは強くなります。
そのため腸内細菌の餌である
- 穀類
- 野菜類
- 豆類
- 果物類
などの植物性食品を摂取することが免疫寛容のシステムを強くする近道です。
逆に、食品中の防腐剤や添加物は腸内細菌を弱らせますので、これらの成分が多量に含まれている食品はさけましょう。
リウマチは免疫システムが壊れて起こる
免疫システムが正常に働いていれば、正常な細胞まで攻撃することはありません。
ですが、腸内環境の乱れにより免疫寛容が破綻すれば、免疫システムは暴走し正常な細胞まで傷つけます。
こういった状態を避けるためにも、身体に悪い食品添加物を控えて、未精製の雑穀を摂る事は大切です。